2ー6 祝賀会のち既成事実
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「それでは、ソーマのB級昇格を祝って、乾杯!」
「かんぱーい!」
アルザードが乾杯の音頭をとる。
黄金の林檎亭の食堂。ここで俺のB級冒険者への昇格を祝っての祝賀会が開かれた。
参加してるのは俺は勿論のこと、暁のメンバーとポーリー、それにユフィだ。
ユフィに関しては色々大丈夫なのか? と思ったが、そこはしっかりと許可を得たらしい。ユフィの後ろにはヘンリエッタが控えている。
因みに酒、と言うかビールは俺が提供している。なんと言うか、解せぬ。
「しかしこれ程とはな。まさかレッサーデーモンを一撃で倒すとは思いもしなかったぜ」
「まあ、武器が良かったからね。それに神聖魔法が使えなかったら分からなかったよ。その辺マシューには感謝してるよ」
「役に立って何よりです」
やはり話題は先の一件、俺がレッサーデーモンを倒した話だ。実はこの話題は結構街中でも騒がれており、一体どうやって倒したのか、議論されている。
一番有力なのは、アレ――つまり銃は魔道具であり、強化された魔法を放った。あの音はその魔法の発動音だとか。
うーん、惜しい。魔法じゃないんだよなあ。けど魔法と勘違いしてもしょうがないか。
因みに俺以外に本当の事を知ってるのは、ギルドの執務室にいた面々だけである。ユフィが盗賊(実際はルミナス教団の暗殺部隊らしい)に襲われた時にも使ったが、ユフィを始め、その場にいた全員も全く理解出来なかったそうだ。
それから話は今日会った二人、イーサッジとクォールのことに変わる。
「イーサッジとクォールも、悪い奴じゃないんだけどな……」
「そうね、あの性癖さえ無ければ、ね……」
「クォールさんはまだ良いとして、イーサッジさんの衆道は受け入れることは出来ませんね」
やはり性格に難有り、か。マシューに至ってはイーサッジに対して良い印象を持ってない。
「男同士で、など、不毛ですからね。白神教では同性愛は認められてませんから」
何でも、子を宿せない同性との行為は宗教上タブーらしい。なのでクォールはギリギリでセーフなのだとか。
SMが良くて同性愛が駄目とか良く分からん。
まあ俺もカマ掘られるのは勘弁願いたいし、苦痛を快楽にしたくない。と言うか先の拷問のおかげでその手の行為に忌避感が生じてしまった。俺が積極的に絡む事はないだろう……と言ったらフラグになりそうだ。
「ところで。もし、もしですよ。イーサッジさん? の勧誘を受けたとしたら、どっちが攻めでどっちが受けになるんでしょう?」
と、唐突にユフィが興味津々といった様子で聞いてきた。
「ユフィ、恐ろしいこと言わないで。てか何で攻めとか受けとか知ってんの?」
まさか過去の転移者が伝えたんじゃないないだろうな。だとしたら恨むぜ……
☆★☆★☆★
次々と料理が運ばれる。どれもこれも美味く、皆舌鼓を打つ。その分酒も回るのだが。
因みに俺以外はビールを飲んでいる。ユフィは少し苦手そうだが……そんなに無理して飲まなくても。代わりに口当たりの良いのを出しても良いのだが、アレは酒精が強いんだよな。確かアルコールの度数が40だっけ。
あ、俺は店の蜂蜜酒を飲んでる。
「ところで、ソーマを、暁に入れる?」
シンシアがアルザードに訪ねる。そう言えば前は俺の冒険者の等級が低かったから無理だって話だったな。確かに今の俺なら問題ないだろうけど。
「ん……そうだな。とりあえず一度パーティを組んでみるか。あ、ビールは良いから鬼ころしくれ」
「一度と言わず、ずっとがいい。あ、ビールおかわり」
「へいへい」
アルザードとシンシアがおかわりを俺に要求してくる。鬼ころしは瓶のまま、ビールも缶のまま、二人に渡す。無限にあるから良いけどさ……宿屋の酒も頼もうよ。
「ありがとよ。で、ソーマはどうする?」
「確かに連携とかあるし、一度組んでから考えますよ。けどそうそうパーティで受けるような依頼ってあるもんなんですか?」
「いや、迷宮があるからな、そこで確かめる」
ほう、迷宮とな。無いと思ったんだが、この世界にもあるらしい。
詳しく聞いてみると、迷宮には大きく別けて二種類あり、一つは遺跡や洞窟等に魔物が住み着いた物、もう一つは魔素――大気中の魔力――が溜まって自然に迷宮と化した物。ユリシカ近辺にもあり、そちらは後者にあたる。
だったら迷宮のある場所に街を造れば良いのに。と、思ったのは俺だけじゃなかったらしく、昔は街の中に迷宮がある、所謂迷宮都市があったのだが、迷宮から魔物が氾濫してしまい、とても人の住める場所ではなくなってしまったとのこと。しかも街部に氾濫した魔物や盗賊等が住み着き、かなり危険な場所になってしまったのだとか。それ以降迷宮都市は造られていない。
「迷宮か……なら明日にでも」
「明日か。オレ達は構わないが、ソーマは装備が無いんじゃ……」
「ここに来る前にガラフの工房に寄って買ってきてるよ」
実はギルドを出てから俺は直ぐ様ガラフの工房に寄って、スティレットとチェインメイルを購入している。
スティレットは刃の無い、刺突に特化した短剣だ。数打ちの剣は切れ味も強度も信用出来ない(ガラフも勧めてこなかった)ので、それならと、スティレットを選んだのだ。槍とかでも良かったのだが、短剣なら剣術技能が使えるのでこっちにした。
チェインメイルは間に合わせだ。体型に関係無く装備出来るのはこれくらいしかなかったのだ。斬撃には強いが刺突と殴打に弱いんだよなぁ。
「よし。なら明日はソーマをパーティに入れて迷宮探索だ。気合い入れてけよ」
アルザードの掛け声に俺達は首肯する。
「ソーマさん、気を付けて下さいね」
「大丈夫とは思いますけど、迷宮は危険な場所です。お気を付けて」
と、俺はユフィとポーリーに応援を受けるのだった。
そして、その後も宴は続き……
☆★☆★☆★
翌朝。
俺はベッドの上で目が覚めた。いつ頃ベッドに入り眠りに就いたのか記憶に無い。
ふと、両腕に何か暖かく、柔らかい感触が当たっていることに気づく。それだけじゃない、俺の上にも何か暖かいものが乗っかっている。
柔らかい何かを確かめるため、首を横に向けると……
「!?!?!?」
ユフィが寝ていた。
何で!? てかこの柔らかな感触……絶対、確実に、たわわに実った、おっ……
「ん……くぅ……」
むにゅん。
……………………何か直に当たってるような。肌の温もりを直接感じるんですが!?
一方の反対側を向くと、ポーリーが寝ていた。
こっちもユフィ以上あるメロンが直に当たってる。
恐らくユフィもポーリーも裸だ。下は知らんが少なくとも上半身は何も身に付けて無い。
そしてもう一つ気になる感触。俺の上に乗っかっているものの正体。それは――
「ん……ソーマぁ…………もっとぉ……」
シンシアだった。彼女も服を着ていない。しかも薄いながらもしっかりとある胸の、ぽっちの感触が……
てかもっとてなんだ。どんな夢見てんだよな。
何があった。どうしてこうなった。訳が分からない。そんな混乱している内にユフィ達が目を覚ました。
「あふ……おはよう、ございます。ソーマ、さん」
「ん……ふぁ…………おはよ、ソーマ」
「んー…………ソーマさん、おはようございます。昨日は激しかった、ですね」
ユフィは恥ずかしながら、シンシアはいつもみたいに、そしてポーリーは……ておい、激しかったって何した俺!?
「既成事実、作っちゃいましたね」
と、ユフィが頬を赤らめながら、にこりと微笑む。その笑みはとても愛らしいものだが……ユーフォリアさんや、今既成事実と仰いませんでしたか?
「ソーマ、すごかった……」
シンシアも恥ずかしそうに言う。
これって、どう考えても事後…………
俺、何も覚えてない内に卒業しちゃったのか!? 嘘だ! 誰か嘘だと言ってくれ!
さて、真実や如何に。




