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重音の詩人  作者: 鎖宮紫庵
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序章



大陸アーチェスタ。この世界に一つだけある巨大な大陸。そこには二つの種族が生活している。体内に魔力の器を宿す『魔族』と宿さない『人族』。魔族は魔法を使い、人族は使えない。一応人族も魔術回路があれば魔法を使えるが、魔力を保持できないから体力を消費する。魔力は特定の地にのみ魔霧という薄紫の霧の形で満ちていて、霧がないところだと魔力は回復しない。魔族が霧を吸うと魔力となるが、一般的な人族が吸うと狂う。魔族の中でも獣に近い種族は器が小さく、そういった種族は霧の中で狂い強化される。凶暴な種族は魔物と呼ばれ討伐される。

はるか昔、この世界には魔法を使う竜がいて、その竜を勇者が倒し、その竜の亡骸が巨大な大陸となったとされている。竜に打ち勝ち文明の一歩を踏み出した勇者の子孫が人族、竜の飛び散った体の一部が魔族の祖だと言われている。その神話から、人族は魔族を侮蔑し嫌っている。一部の魔族を除いて、共存はほぼ不可能だろう。


大陸東部中央に位置する森。『妖精の森』と呼ばれるその森は、どこの国の統治下にもない。比較的薄めではあるが魔霧が立ち込め、人間は迂闊に立ち入れない。その森には、名の通り妖精族が住んでいる。魔族最小とも言われる彼らは、人の手のひらほどしかない。目立った魔法は薄い羽での飛行以外使えず、彼らの付近の植物は通常より速く成長する。そんな彼らを助けて同じように森の中で生きる妖精族とのハーフ、妖人族。エルフとも呼ばれる妖人族は、魔法の代わりに精霊を召喚する召喚術に長けている。人族に攻撃はされないものの畏怖され嫌厭される妖精族と違い、妖人族は比較的人間族に受け入れられている。それゆえか、薬師や旅人、吟遊詩人として諸国を旅する妖人族も少なくはない。


これは諸国をめぐる吟遊詩人の青年と、その友人である妖精の物語である。



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