08 悪魔と天使にあいました。 2
感想、誤字の報告ありがとうございました。
今回は、長めに書いてみました。
地面につくと、二人(?)はボロボロだったけど生きていた。
「―—っ馬鹿なっ!」
「···どうゆうことですっ!?」
(おぉ~、よかった生きてて。
いや、さすがに違う種族(?)のしかも天使と悪魔(?)なんて殺したら国際問題(的なのに)なっちゃうかもしんないからね・・・・)
これで死んでたら私が殺したってばれないように一本の髪も残さ
ないよう燃やさなきゃいけなかったからなぁ。
「···これいじょうやられたらちからをためすどころじゃなかったし、むしされたからちょっとムカついて」
「···」
「···」
あららぁ?だまちゃったよ···
「あなたは···先ほどの···人間?」
悪魔のようなやつがそう聞いてきた。
おそらく、さっきやめろと言ったのが私か、きいてるんだろう。
今はあの『化物』の姿だ。
わからないのも無理はない。
(しっかしなぁ~やっぱりこの姿は変わらない、か···この赤い髪···瞳もたぶんオッドアイになっているだろうな)
「そんな馬鹿なっ!姿がまるで違うし、人間ごときに、しかもこんな小さいガキにやられるはずがっ!」
天使のようなやつがあり得ないと声をあらげた。
「いまやられたじゃん」
そういって私は姿をもとに戻した。
鏡を見ないと瞳はわからないが、髪はもとに戻ったことがわかる。
(ああ、よかった···心配だったけどちゃんと白銀に戻ってる)
今の私の髪の色は白銀である。
化物の時、私の赤い髪は地面につきそうなギリギリの長さまで伸びる。
今の私の白銀の髪は肩ほどまでしかないから、すぐわかる。
前世の私の髪は黒だった。
だから、この世界では普通の人間なのかも、と少し期待していた。
でも。
あぁ、やっぱり『化物』だった。
「···本当に人間」
「···信じられません」
「しんじようがしんじまいがかってだけどやるならよそでやってくんないかな?」
···まるでここが自分の家みたいな言い方である。
すると悪魔のようなやつが、名案を思い付いたとばかりに口に弧を描いた。嫌な予感しかしない。
「···では、お願いがあるのですが···私と戦っていただけませんか?」
悪魔は美しいほど整った顔で微笑をうかべながら言った。
(あは、予感的中だなこれ)
心の中でそう思いながら、その笑みに私は満面の笑みで返す。
「いや」
「···なぜ、です?」
心底不思議だというように首を傾げた。イケメンが。
くそっ、イケメンがさらにイケメンになったなあ、おい。
っていうか何故、OKが出ると思った?
イケメンだからかっ、イケメンだからなのかっ!イケメンだから何でもOK貰えると思ったら大間違いだからなああ!
(···いや。ちょっと落ち着こう)
そう思い、少しだけ深呼吸をして、答えた。
「だって、めんどくさい。それにわたしにメリットある?なくねっ⁈たいりょくしょうもうするだけだよ・・・デメリットしかない」
···つまり、ただただ面倒くさいだけである。
「それなら、あなたが勝ったら私たちが契約する···というのはどうでしょうか、私もやってみたくなりました」
天使のようなやつが言った。
「けいやく···?」
「はい。主が死ぬまでなんでも命令をきき、主のためにすべてをかける···そういうものでございます」
「···なんでも、ね。まけたら?」
「私どものおやつになります。」
私まだ子供なんですけど?
っていうか天使も美人だなあ、おい!
まっ、まさかお前らできてんのかっ!
くっそ、あれってただの夫婦喧嘩なのかっ?!
っていうか、うらやましい!
···最後のが本音である。
まあ、いいや。
リア充ならば容赦しない!ってね。
試したい事もあるし、実験台になってもらおうかなあ?
「···っあはははは。いいね。おもしろい。いいよ。やろう。ちょうどためしたかったこともあるしね。あくまみたいなのもそれいいの?」
「はい。構いません」
「わかった」
「では、どちらからやりますか?あなたが選んでください」
···一人ひとりやるのは面倒だ。
一気に片付けたいよね、やっぱさ。
「めんどくさい。ふたりどうじにどうぞ。」
「「・・・は?」」
双方ともに、鳩が豆鉄砲食らったような顔をしている。
言わずもがな。
皆様もお分かりいただけているだろう。
イケメンだし、美女だよ?
「いや、だから、ふたりどうじにどうぞ」
「···ですが」
「じかんのむだ」
「···わかりました。後悔しないでくださいね」
「しないしない、じゃぁ、まずは···」
そう言いながら3年前にもらった剣を出した。
「···体の中から剣を···?ますます面白い方ですね。」
そう言いながら天使は何もない空間から槍を出した。
同じようなものじゃねっ、と思った私であった。
「光をまとい敵を殺せ!」
そう言いながらその槍を私に向け、放った。
私は、一本の槍に刺された。
その槍は私の胸のあたりに刺さった。
「それは、私が私の魔力を注ぎ込んで創った槍。ただの人間なら刺さって終わり。」
「あれ、もう片付いてしまったんですか。わたしは何もしていないのに。」
「残念でしたね。私もまだ殺り足らないので先ほどの続きであなたの首を取ることにしましょう」
ああ、熱い。血が沸騰してるみたい···
「あはははははは。おわってないよ」
「なっ!私の槍に刺されて生きている⁈」
天使のようなやつの顔は驚愕で目を見開いていた。
私は、自分に刺さった槍をぬいた。
「―—―—っく!···あぁぁ~みてよ。からだにあながあいちゃった♪」
「っ馬鹿な!体に穴が開いて人間が生きていられるはずがっ!」
「え?あなたの目は節穴?ちゃ~んといきてる」
私の髪は赤く染まり、地面につきそうになった。
傷はどんどん塞がれていった。
『ただの人間』ねぇ~、
ごめんね。私は、『化物』だよ。
「さぁ~て、こっちでもつかえるかためさないとね···『炎』」
おぉ~出た出た。
(あぁ~でも他のも使えないのかな)
――使えるぞ
(え?)
いきなり頭のなかに声が響く。
――俺は火の神だ
(あぁ、君が)
――それでさっきの話だが、あいつらを倒すんだろ。なら一撃で仕留めようぜ
(一撃で二人を?)
なかなか面白い提案をしてくれる。
私はまだ子供だぞ?
――あぁ
(面白い。いいよ。何をすればいい?)
――大地の神を呼べ。そしてあいつらを大地の神を使ってどう仕留めるか想像しろ。それだけでいい。
(想像、ね。OKわかった)
わたしは、軽くジャンプし、上から···
「敵を仕留めろ」
一瞬にして二人がいたところに穴が開いた。
その後、地上に降り、自分が開けた穴に入っていった。
しばらく落ちると、地面についた。
そこには、血だらけで倒れている天使と悪魔がいた。
まだ、生きているようである。
私は、急いでこの二人を連れて、地上へあがろうとした。
だが···
「どうやってあがんだ、これ」
光は、はるか彼方に見える。
地上に上がるには4000mは登らないといけないだろう。
いくら私でも、二人抱えてあの高さまでジャンプするには無理がある。
(どうしようかなぁ)
「ま、いっか。ねむいし、ねよ」
···結論がこれである。