06 3歳になりました。
ブックマークありがとうございます!!(^^)!
3歳になった。
はやくもこっちへ来て3年。
私はまだ、見せていない。
あの姿を。
それどころかあの姿になってすらいない。
怖いから。
苦しいから。
まだ生まれたばかりだから。
それを理由に自分自身を納得させ、今日まで生きてきた。
だが、先日少し壁に手をついただけで壁を壊してしまった。
壁が傷んで壊れやすくなっていたんだ。
その時の私はそう自分に言い聞かせた。
だが、もう終わりにするべきだ。
私は今日、あの姿になることを決意した。
同時に、自称神からもらった剣も試してみるつもりだ。
だが、自分の部屋では試せない。
ばれるかもしれないから。
だから私は、家出をすることにした。
プチ家出だ。
『おとうさま、おかあさま、おにいさまへ
しばらくいえをあけます。
すぐかえります。
さがさないでください。
リーゼロッテ』
(よし。それにしてもこの次元の言葉は難しいな…)
この次元の言葉は日本語ではない。
だが不思議なことに、書く字だけが違うのだ。
他の人間が何を言っているのかはわかるし、私の言葉も通じてはいるのだが、それを書いて表すの無理だった。
ただの落書きに見えるらしい。
(じゃあ、行くかな)
そして私はこの世界ではじめて、家出をした。
目的地は決まっていた。
この間、家族皆で行った森だ。
その奥の更に奥なら人はいないだろう。
そして私は、天使と悪魔 (らしきもの)と出会った。