20 ヒロイン視点
これから私の天国が始まるの♬
皇太子の攻略が最初よね。
『彼』もいいけれど。
『彼』は㊙攻略相手いつ出てくるのかわからない。
残念だけど皇太子で我慢するわ。
うふふ。楽しみだわ。
・・・そういえば悪役令嬢もいるのよね。
でも、悪役令嬢は頭が悪いから一番下のEクラスなのよね・・・
それで私と皇太子は一番上のSSクラス。
あぁ~楽しみだわ。
早く会いたいわ・・・
――――――入学式――――――
『次は、入学生代表の言葉です』
・・・そう・・ここで皇太子が出てくるのよね。
攻略対象のひとりでもある皇太子が。
『リーゼロッテ様、お願い致します』
・・・・なんですって・・・?
リーゼロッテって確か悪役令嬢のはずよね・・・
そして挨拶をするのは首席で入学した皇太子のはず・・・
どういうこと・・・・
そうこうしているうちに悪役令嬢の挨拶が終わった。
クラス発表だ。
私はと皇太子は乙女ゲーム通りSSクラスだった。
ただ一つ違うのは、悪役令嬢も同じクラスだということだ。
おかしいわ。
なによ・・・
バグったのかしら・・・
でも・・・・
まぁ、変わらないはずよね。
ただ悪役令嬢が首席で入学しただけにすぎないわ。
私は、ヒロイン。
幸せになる権利があるわ。
この世界は私のために回ってる。
彼女はまだ気がつかなかった。
いや、気が付けなかったのだ。
あいつらだけで満足していれば。
あんなことをしなければ。
普通の幸せを手に入れられていたのに。
この世界はもう。
ヒロインのためになんか回っていなかった。
いや。
リーゼロッテという存在が前世の記憶をもって生まれてきた時から。
もう世界は。
ヒロインが考えている乙女ゲームの世界ではなかったのだろう。




