02 私が化け物になった日
今回も読んでくださりありがとうございます。
とても嬉しいです。
私にはほかの人が持っていない能力を持っていた。
それは、人より何百、何千倍も優れた身体能力だ。
生まれた時は普通だった。貧乏だったけど幸せに暮らしていた。
だが、8歳の時に両親を馬鹿にされて怒ったことがあった。
その時、私のなかで『ぶち』っと何かが切れる音がした。
そこからは覚えていない。
ただ気がつくとそこには両親を馬鹿にした者たちが血だらけで倒れていた。
私の様子も変だった。近くにあったガラスに写っていたその姿はまさに化け物と呼ぶにふさわしかった。
肩までしかなかった髪は床につきそうなぐらいの長さに変わり、黒かった髪も血のように赤い色に変わっていた。目の色も右が青、左が金と左右で色が違うオッドアイになっていた。
私は怖くなり家に逃げこんだ。だが、家の鏡に写ったその姿は見慣れたものになっていた。
私は悪い夢だったと思うことにした。
それから数日後、いつも通り教室に入っていくとそこには、数日前血だらけで倒れていた者たちが包帯をぐるぐる巻きにされて椅子に座っていた。
しかし私の顔を見るなり、おびえた目をして
「化け物」といった。
あぁ、夢じゃなかったと、怖くなった。
その後先生に呼び出された。
先生は、
「ごめんなさいね。あの子達、この間襲われたの。見つかった時には血だらけで、意識がなっかったのだけど数日前、意識が戻って、誰にやられたのって聞くとみんなあなただって言ったの。あなたが赤い髪の色になって、あの子達を襲ったって。赤い色になるなんてマンガじゃあるまいし···お医者さんが言うには幻影を見たんだろうって」
「···そう、ですか」
私はそれしか言えなかった。
先生は今日は帰っていいよ、といった。
恐らく、私の顔色が悪く今にも倒れそうだったからだろう。
それから私は、家で考えた。
このままだと私は、怒るたびに人を傷つけてしまう、と。
だから、力をコントロールできるようにしようと考えた。
人とかかわるのもやめよう、と。
それから、私は一人になった。
そして私は、殺されかける。
――そう。君は僕が殺した。封印が君によって解かれたときから。
「やっぱりあの『ぶち』って音は封印を解いてしまった音だったんだね。」
――あぁ。あれから君は一人になり、力をコントロールし始めた。君はこの次元にとって危険な存在になっていった。だから僕は君を殺した。でも普通にトラックにひかせ、殺すには無理があった。なぜなら力をコントロールできるようになった君に逆に吹っ飛ばされるから。だから動きを封じた。一回限りの技だよ。
2回目は君に効かないだろうからね。1回喰らったわざを喰らうようには到底見えない。賭けだったよ。成功してよかった。
「···私は、複雑だけどね」
――さて。これから僕は君をもともといるべきだった世界に返す。だけどその前にこれをあげる。お詫びとしてね。
そう言って、神は一本の剣を取り出した。