自主規制
刑部狸とおみつ御前は組み合っている。
だが前の試合で体力を消耗したのか、息を荒げるだけで中々動こうとはしない。
ふーっ、ふーっという息だけが聞こえている。
お花は眉を寄せた。
「なんか、変……」
もぞもぞと刑部狸が身じろぎをした。
「あらっ!」と、お花が顔を真っ赤に染めた。慌てて時太郎に近寄ると、その目を両手で塞ぐ。
「おいっ、何をするんだ!」
「あんたは見ちゃ駄目!」
お花が叫ぶ。
時太郎はお花の手を振り払った。
「なんだよう……」
「だって……」
お花は俯いた。
再び試合に視線を向けた時太郎は驚きの余り目を見開いていた。
刑部狸の股間から、◎◎がにょっきりとXXしている。刑部狸の両目は充血し、食い縛った口許からは、涎がたらたらと溢れていた。
「けええええっ!」
刑部狸が奇妙な叫び声を上げる。
「ひょおおおおっ!」
おみつ御前もまた、叫んだ。
「ふぐうっ!」
二匹は強く、お互いの身体を抱きしめあう。ずりっ、ずりっと二つの体が擦りあい、熱気で湯気が上がった。
そのまま、どて、と横倒しに地面に転がる。ごろごろと抱き合いながら転がると、刑部狸が上になり、腹這いになったおみつ御前に背後から圧し掛かった。
「ふんっ!」
刑部狸は低く唸ると、ぐいと腰を動かし、◎◎をおみつ御前の女#に突き立てる。おみつ御前はすでに腰を浮かし、大股をひろげて受け入れる態勢になっている。
「ふんぎゃっ!」
おみつ御前はかっ、と口を開き、仰け反った。刑部狸はぐい、ぐいと腰を前後に激しく揺らせている。かくかくかくと、動きが素早くなった。
(以下三行抹消)
びくうっ! と、刑部狸は痙攣し、その尾っぽがぴん、と直立した。ぱかっ、と口が開き、大きく息を吐く。
ずりっ、と刑部狸はおみつ御前の身体から離れ、どすんとばかりに尻餅をつく。びゅっ、びゅっと(以下十七文字抹消)。
「ぐふう……ぐふう……」と、おみつ御前も腹這いになったまま奇妙な唸り声を上げていた。ほかほかと、巨大な(以下二十五文字抹消)。がくりと腰を折ると、そのまま横倒しになり、頭を上げて刑部狸を見つめる。
刑部狸もまた、おみつ御前を見つめ返した。
ふっと視線を逸らすと、刑部狸は背後の芝右衛門を見やった。
「芝右衛門……!」
名前を呼ばれ芝右衛門は「へっ」と小腰を屈めて近づいた。刑部狸は肩で息をしながら話しかけた。
「おぬし、やったな?」
「へへへ……」
芝右衛門は両手を擦り合せた。