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頂上

 やがて豆狸まめだは、声を上げた。

「ここで御座います!」

 立ち止まると、崖に階段が刻まれている。階段はくねくねと曲がりくねりながら、崖の上へと続いている。

「ここを登るのか?」

「さようで御座います。この上に、狸穴まみあなへと続く道が御座います」


 豆狸の言葉に、お花は呆れた。


「まだ着かないの? ずいぶん、遠いのね」

「ともかく、登って見ようぜ」

 時太郎は先頭に立って階段を登り始めた。


 階段は岩壁を直にのみなどで刻まれたものらしく、不揃いで時々途切れたり、妙な間隔が空いたりしている。

 幅は狭く、今にも転げ落ちそうで、気の弱いものなら登攀を諦めてしまいそうだ。


 ようやく頂上に着くと、そこには小さな小屋が掛かっていた。

 小屋の前には長椅子があり、そこには一匹の狸が傲然と腰を下ろし、煙管をぷかーり、ぷかりと悠長に吹かしている。


 狸は、じろりと時太郎とお花の肩に乗っている豆狸を見て口を開いた。


「何のようだね? お前さんの肩に乗っているのは、狸御殿の豆狸のようだが」

 お花が話しかけた。

「こんにちわ! あたしたち、狸穴へ行きたいんだけど、ここから行けるのかしら」


 狸は、ふむ、と鷹揚に頷いた。


「狸穴へ行きたいのか。それなら、それに乗りな。その豆狸なら、道を知っているはず」

 手にした煙管の先を振って指し示す。


 そこには四つの車輪を持った奇妙な台が置かれていた。車輪の下には鉄製らしき軌条レールが二本、長々と視線の届く限り先にと続いている。台の上には棒の上に横に渡された把手ハンドルがついている。

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