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第三章:砕け散る銀甲

##第三章:砕け散る銀甲##


王都は紅蓮の炎に包まれ、誇り高きアルビオン王国は断末魔の叫びを上げていた。

だが、その煉獄の中でなお、一筋の「銀閃」だけが、絶望的な輝きを放ち続けている。

「退くな! まだ王城は落ちていない! 私が活路を切り開く!」

セレスティーナの咆哮が轟く。

彼女は単騎で敵の包囲網を食い破り、王城前広場に死体の山を築き上げていた。

返り血で赤く染まった白銀の騎士。その剣の届く範囲は、絶対的な死の領域と化している。

鬼神の如き強さに敵兵が恐怖で足をすくませた、その時だった。


「銀閃。……上を見ろ」


戦場の喧騒を切り裂く男の大音声だいおんじょうが、頭上から降り注ぐ。

セレスティーナが反射的に見上げた先。

王城の城壁から突き出された一本のロープ、その先に吊るされていたのは――彼女の全てと言っても過言ではない愛息、アレクシスの姿だった。


「ア、アレクシス……っ!?」


喉から、空気が抜けたような音が漏れる。

遥か眼下には、城を焼き尽くす猛火が、飢えた獣のように赤い舌を伸ばしている。

「母上! 母上ぇッ!!」

「その剣を捨てろ、セレスティーナ。さもなくば、この紐を切る。恩ある兄の忘れ形見でもある、お前の愛する息子が火ダルマになる様を特等席で眺めることになるぞ」


卑劣な、しかしあまりに効果的な脅迫。

一瞬前まで敵を圧倒していた殺気は霧散し、セレスティーナの美貌からみるみる血の気が引いていく。

「やめ……やめてくれ……その子は関係ない……ッ!」

「3つ数える。3、2……」

騎士としての誇りと、亡き兄への贖罪、そして、母としての愛。

その葛藤は一瞬だった。

カラン、と。乾いた金属音が石畳に虚しく響く。セレスティーナの手から滑り落ちた剣が、泥の中に転がった。


「降伏……する。だから、あの子には手出ししないでくれ……頼む……ッ!」


彼女はその場に膝をつき、両手を高く上げた。

そこにあるのは無敗を誇った英雄ではなく、ただの「無力な母親」だった。


「確保ォッ!!」


合図と共に、兵士たちが一斉に雪崩れ込む。

無抵抗のセレスティーナは泥の上に組み伏せられ、端整な顔を冷たい石畳に押し付けられた。


城壁のバルコニーからその光景を見下ろしていた王子ヴィルヘルムは、喉の奥で低く笑った。

脳裏を掠めるのは、父帝からの冷酷な言葉。


『この無能が! あのアルビオンの戦乙女と同年とは思えない無様さだ』


(父上、貴方が褒め称えた戦乙女が、今や泥を舐めて這いつくばっていますよ……)

彼の瞳には、勝利の歓喜以上に、これから始まる『宴』へのどす黒い期待が宿っていた。

白銀の鎧を剥ぎ取り、その下にある柔肌が屈辱に染まる様を想像するだけで、彼の股間は耐えがたいほどの熱を帯びていく。

「さあ、連れてこい。我が前へ。美しい『戦利品』を検分してやろう」


両手首に重厚な黒鉄の枷を嵌められ、占領軍の司令部と化した玉座の間へと引きずり出されたセレスティーナ。

そこには、カルヴァニア王国の王子ヴィルヘルムと、飢えた狼のような瞳をした側近たちが待ち構えていた。


ヴィルヘルムは待ちかねたように玉座から立ち上がると、床に無防備に転がされた彼女の前に立った。

「これが、大陸にその名を轟かせた『銀閃、アルビオンの戦乙女』の成れの果てか」


ヴィルヘルムの指が、彼女のうなじにある首当て(ゴルゲット)の留め具に触れる。

カチリ、と小さな金属音が響いた。それは、彼女を守り続けてきた聖域が、音を立てて崩壊する合図だった。

「あ……っ」

隙間から漏れ出したのは、密閉された鎧の中で熟成された、汗と女が混じり合う濃厚な香気。ヴィルヘルムはその香りを深く吸い込み、邪悪な笑みを側近たちに向けた。

「お前たち、何日も戦場を駆け回り、風呂にも入っていない汗まみれの女の裸を見たことがあるか?」

ゴクリと喉を鳴らす側近たち。

「剥け。一枚残らずだ。まずは皆の前で、この『戦乙女』の隅々までを存分に晒してやる」


王子の非情な命令一下、飢えた獣のような兵士たちがセレスティーナに群がった。

人質を取られた身では、微かな抵抗さえ許されない。絶対の防御を誇った白銀の聖鎧は、無作法な手つきで次々と剥ぎ取られ、ただの鉄屑として冷たい石畳へ無残に放り捨てられていく。


「や、やめて……っ」


悲痛な悲鳴も虚しく、最後に残った胸甲が力任せに引き剥がされた。

その瞬間、ぶわりと、獣じみた濃密な熱気が周囲に拡散した。

冷たい外気に触れたアンダースーツが、吸い付くように彼女の起伏をなぞり、隠しようのない「女」の輪郭を暴力的なまでに強調していく。


尖った乳首の突起やへその窪み、腹部の筋肉の陰影までもが、残酷なほど生々しく浮き彫りにされていた。


「おおお……」


男たちの誰かが漏らした感嘆の吐息が、ねっとりと彼女の肌に粘りつく。

「見ろ。これが高潔なる『銀閃』の正体だ。クールな顔をして、中身はずいぶんと自堕落に蒸れているじゃないか」


ヴィルヘルムが短く顎をしゃくると、乾いた布の裂ける音が響き、汗で透けた下着が一気に引き裂かれた。


「おお……なんと……」


どよめきが波紋のように広がる。露わになったのは、戦場の泥臭い現実を忘れさせるほどに完成された肢体だった。

激戦の熱を閉じ込め、上気した肌が外気に晒されて鮮烈な桜色に染まる。

豊かな双丘は重力の枷を感じさせないハリを保って聳え立ち、その頂点は恐怖と冷気によって硬く収縮し、主の意志とは無関係に自己主張していた。

限界まで絞り込まれた腹直筋のライン。そして、劇的な曲線を描いて広がる豊満な腰回り。


「見事なものだ」


ヴィルヘルムは感嘆の吐息を漏らし、一糸まとわぬ姿の彼女へと歩み寄る。

男の視線が舐め回すように全身を這うが、彼女は身じろぎ一つしなかった。


「だが、その瞳は気に入らないな。まだ自分を騎士だと思っているらしい」


跪け、と命じられても、セレスティーナは動かない。

全裸で晒し者にされながらも、燃えるような憎悪の眼光でヴィルヘルムを射抜く。

背筋を真っすぐ伸ばし、豊かな胸を張って、その辱めを真正面から受け止めていた。

本作をご愛読いただきありがとうございます。

第四章以降はかなりの過激な描写(成人向け)を含む内容となるため、当サイトの規約を考慮し、

続きは私の個人ブログ(URLはプロフィールに記載)にて完結させようと思います。※既に完結までのドラフトはできています。


セレスティーナが辿る過酷な運命の結末は、いかに。

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