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ボクしか知らない隠しダンジョンでSSRアイテムばかり掘り出し大金持ち  作者: テツみン


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第六十六話 ボクしか知らない、ボクの覚醒⑤

 エリオットはマナ使いとして覚醒した。


 もはや、グエルもマドロウの怖くない。

 これまで、自分やセシルに加えられた苦痛をヤツらに味合わせてやろう――そう思い、右手を振り上げたタイミングで衛兵がなだれ込んできた。

 そして、冒険者ギルドマスター、マコーミックや領主のアウグスト辺境伯までもがいる。


「どうして? そうか……みんな、マドロウとグルだったんだな? ボクが掘り出した魔道具(アーティファクト)を奪うために、マドロウを使ってボクを殺そうとした――そういうことか?」

「エリオット君、それは勘違いだ」

「じゃあ、なんで、領主様がココにいる?」

「私がお願いしたんです。エリオット君を助けてほしいって――」


 若い女性の声がして、エリオットは入口を見る。ピンクのローブを(まと)った少女が立ってた。


「――レナさん?」

 マリーの店にクリームパンを買いに来る少女だった。でもどうして――?


 すると、彼女はローブを脱いだ。白とピンクの美しいドレスが(あら)わになる。


「私はエレナ・アウグスト。辺境伯の娘です」

「――えっ?」


 レナ……いや、エレナ・アウグストがマリーの店に行くと、セシルが行方不明だと聞かされた。そして、エリオットが探しに行ったと知ったのである。それで、ふたりが事件に巻き込まれているのではないかと考え、父であるウィルハイム・アウグストへ助けを求めたのだ。


「そういうことだ。この者たちを裁くのは吾々、法を(つかさど)る者――キミではない」

 アウグスト辺境伯は、エリオットにそう伝える。


「おい、マドロウたちを捕まえなさい」

「辺境伯!? どうして私を!? 私はこの少年に暴力をふるわれたのですよ! 市民権のないこんな孤児に!」

「黙れ、マドロウ!」


 マドロウがエリオットに向かって差別的な言い方をすると、アウグスト辺境伯がそれを遮った。


「たしかにこの国では、孤児や移民に市民権を与えてはいけない規則になっている。だが、私にとっては彼らもかけがえのない領民だ。私の前で、そのような発言は許さん!」


 そう言われ、マドロウの顔がみるみる青くなる。


「それにマドロウ、キサマには他にも余罪を調べる必要がある」


 他の店へ嫌がらせをした、独占的立場を利用して値下げを強要した――など、いくつか情報がある――

 そう、辺境伯は言うのである。

 マドロウはガックリと床に手をついた。


「やりすぎだったな、マドロウ」


 すると、マドロウは「フ、フ、フ……」と意味深な笑い声をあげる。


「やりすぎた? それはこっちのセリフですよ」


 そんなことをマドロウは貴族、それもこの街の領主に向かって言うので、アウグスト辺境伯は、「どういう意味だ?」と聞き返した。


「たかが田舎貴族風情が、この私を処罰する? やれるモノならやってみろ。私にはたくさんの支援者がいるんだ」

「――支援者?」

「そうだ。アイーシアよ、こっちへ来い!」


 マドロウがそう呼ぶと――

 誰も返事をしないし、誰も現れない。


「ん? おい、アイーシア! どうした!?」


 マドロウは何度も叫ぶのだが、彼の秘書である美女は現れなかった。


「ど、どういうことだ……?」

「ああ、秘書のお嬢さんだっけか? 衛兵がこの倉庫へ入るのを見送って、船着き場へ向かっていったよ。鑑定士のカポネも一緒だったなあ」

 マコーミックはいつもの大声で、そんなふうにマドロウへ伝えた。


「ま、まさか……」

「どうやら、支援者という人物から見切りをつけられたようだな、マドロウよ。おい、コイツらを連れ出せ」


 動揺でカラダを震わせるマドロウを衛兵が両脇をかかえて連れて行った。


 一緒に連れて行かれるグエルも捕まったショックで放心状態になっている。追い打ちをかけるように、マコーミックが彼に声をかける。


「グエル、オマエを冒険者ギルドから永久追放とする。ギルド資格停止期間中にこんな事件を起こしたんだ。当然だ」


 その言葉を聞いて、グエルは座り込んでしまう。そんな彼を衛兵は引きずって退場させるのだった。



 元パーティメンバーを見送ったところで、「お兄ちゃん……?」という声をエリオットは聞く。セシルの目が覚めたのだ。


「セシル。ゴメンね。怖かっただろう?」

 そう言って、エリオットは妹を強く抱きしめる。


「エリオット様、セシル様、ご無事でなによりです」

 ふたりに声をかけてきたのはガーネットだった。両手を広げ、ふたりをやさしく抱き寄せた。


「ありがとう。私にも聞こえたよ。ガーネットの声が――」

 セシルがそう言う。


「えっ? セシルも聞こえたの?」


 妹は「うん」とハッキリ答える。そして、ガーネットも――

「はい。セシル様がマナに語りかけている声もしっかり聞こえました」

 こう応えた。


 それはエリオットも気づいていた。グエルとマドロウに攻撃したマナはエリオットの『声』に応じたモノだった。しかし、ロイドに向けて放たれたマナはエリオットからではなかったのである。


 そうか――セシルも『マナ使い』だったんだな。

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