表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ボクしか知らない隠しダンジョンでSSRアイテムばかり掘り出し大金持ち  作者: テツみン


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/71

第二十一話 ボクしか知らないお金の使い方⑥

「エリオット君も、クリームパン三個だっけ?」


 エリオットは少し考えたあと――

「四個にしてもらえますか?」と訂正するのだった。


「はい、クリームパン四個ね」とマリーさんは出来立てのクリームパンが入った袋を差し出す。


「ありがとう。それじゃ、帰ろうか」とエリオットが言うと――

「えっ? 食べないんですか?」とローブの少女が不思議そうに見ていた。


「うん、家族で一緒に食べるから――そう言えば、キミも残りふたつは家族の分でしょ? 自分だけ先に食べちゃってよかったの?」と思わず()いてしまった。


 すると、少女はまたうつむいて、黙ってしまう。

 なんだろう……と思っていたら――


「レナちゃんは三つとも自分で食べるんだよね?」とマリーは暴露(ばくろ)するではないか!

「えっ? 三つとも?」

「そ、すぐに食べる用、家に帰って食べる用、そして、寝る前に食べる用の三つ」

「そ、そうなんだ」とエリオットはどういう顔をすればイイのか悩んでしまった。


「マリーさん! そ、それはナイショにしてくれるって!」

「ああ、そうだっけかぁ? ワルイワルイ!」とマリーは大笑いする。


「ハ、ハ、ハ――」

 マリーにだけは絶対に秘密を打ち明けない――と誓うエリオットだった。



 クリームパンの甘い香りをかぎながら、家に帰る途中、ガーネットからたずねられる。


「エリオット様? なぜ、クリームパンは四つなのですか? 三人しかいないのに」

「ん? 一個はガーネットの分だよ」

 そう言うと、ガーネットは首を(かし)げる。


「ですが、私は食べられないで――」

「そうなんだけどね。ガーネットがクリームパンをじーっと見ていたでしょ?」


 そう言われて、「はい、とても美しいパンだな……と思いまして」と応える。

「だから、一個はガーネットにあげる。どうするかはガーネットが決めて」


 すると、いつにも増して、ガーネットはエリオットをじーっと見つめていた。

 ちょっと気になって――

「ど、どうしたの?」とたずねる。


「いえ……エリオット様が私のご主人様であることを神に感謝したいと思います」

 そんなことを急に言われて、エリオットは「えっ? なんで?」と困惑してしまうのだった。


 その夜、エリオットたちが寝てしまったあと――

 テーブルの席にひとり座るガーネットは、月明かりであめ色に輝くクリームパンを見つめ、とても幸せそうだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ