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婚約者を庇って呪いで猫になりました~なかなか快適な猫ライフです~  作者: 燈華
番外編

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お見合いをします。2

一通りの両親を交えての挨拶が終わると二人で庭へと出された。

もちろん、お付きの者は一定の距離を保って着いてきているが。

リラージュのほうはもちろんララだ。


ゆっくりとエスコートされながら庭の花を眺めて歩く。

意識して穏やかな微笑みを浮かべる。

淑女は興奮して花に駆け寄ったり、全開の微笑みを浮かべたりしないものだ。


今日はお見合いなのだからお淑やかにするようにルーティスにも言われている。

リラージュは言いつけを守って頑張っていた。

花に駆け寄ることもしていないし、思わず顔が綻びそうになるのも堪えて淑女の微笑みを浮かべている。


ゼリア侯爵令息も穏やかな微笑みを浮かべている。

一見すると友好的に見える。


だけど。

観察されているような気配がする。

そういう視線にはリラージュは疎いが何となくそんな気がしている。


だけど今日は見合いなのだから当然かと思い直す。

どのような人物か、相性はどうかなどを知るのがお見合いの目的だ。


ゼリア侯爵家に合わないような人物なら困るし、相性や性格が合わなければうまくいかない。

それを見極めるためのお見合いだ。

それならば観察されるのは当然だ。


リラージュはボロを出さないようにお淑やかにしていなければならない。

ルーティスの言っていたことはこういうことだったのだろう。

(あらかじ)め言われていなければ早々にボロを出していたかもしれない。

まだ淑女の仮面は完璧ではないのだ。


ゆっくりと庭を見て回る。

さすが侯爵家の庭だ。

よく手入れされた庭には花が咲き乱れていて綺麗だ。

見ているだけで楽しい。

つい足が弾まないようにとかなり気をつけた。


ゼリア侯爵令息はあまりおしゃべりな(たち)ではないらしくぽつりぽつりと会話を重ねるだけだった。

リラージュもどのような話題がいいのかわからず花の感想を言ったり、好きな花や色を訊いたりした。


ゼリア侯爵令息は嫌な顔をせずに答えてくれたり会話を繋いだりしてくれた。

たまに微笑()みを見せてくれたりする。

悪くない感触だ。


婚約が成立するかは色々な要素が絡んでくるから何とも言えないが、少なくとも悪い印象は与えていない、と思う。

リラージュもゼリア侯爵令息に悪い印象は持っていない。


うまくいかなかったとしてもこの綺麗な庭を見せてもらえただけで満足だ。

帰ったらルーティスやアンドレアにどれほど素晴らしい庭だったか話してあげよう。


見たかったと言うだろうか?

それとも関心は持たないだろうか?


アンドレアが前者でルーティスは後者だろうか?

そうしたらアンドレアは事細かく聞きたがるだろうか?

ルーティスは不機嫌になる?


それで何も言わないでいると話を促されて結局全部話すことになるのだ。

自分が知らないことがあるのが嫌なのだろう。

あれでいてルーティスはそんな可愛いところがある。

できるだけ覚えておいて帰ったらきちんと話してあげよう。


考えると楽しくなってきてしまう。






そんな楽しそうなリラージュをゼリア侯爵令息が柔らかい眼差しで見ていたことにリラージュは気づかなかった。




*




しばらく庭を見て回った後でゼリア侯爵令息がリラージュを見て微笑む。

少し砕けた微笑()みに見えるのは気のせいだろうか?


四阿(あずまや)のほうにお茶の仕度を頼んであるんだ」

「はい」


ゼリア侯爵令息はにっこりと微笑(わら)う。


「マカロンも用意してあるよ。好きなんだよね?」

(マカロン!)


目が輝きそうになったが何とか堪えて微笑みを深くする。


「はい。楽しみです」

「よかった」


行こうか、と促されてゼリア侯爵令息のエスコートで四阿へと向かった。



読んでいただき、ありがとうございました。

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