お見合いをします。1
お見合いはゼリア侯爵家で行われた。
ルーティスはお留守番だ。
リラージュのお見合いが決まってから、ルーティスが拗ねて荒れて大変だった。
リラージュにはどうしてそこまでルーティスが拗ねて荒れるのかわからなかった。
だからきょとんとしてリラージュはルーティスに言ったのだ。
「別に婚約者になると決まったわけではないわよ?」
まだ見お合いだ。
お互いの相性とか家同士の利があるかなど、諸々を判断するための顔合わせのようなものだ。
だから見合いをするイコール婚約者になるではない、とリラージュは認識していた。
だがルーティスはそうではなかったのだろう。
たぶんルーティスの中ではお見合いをしたらそのまま婚約が決まるとそう思っていたのだの思う。
リラージュがそう言えばルーティスは呆けた顔になっていた。
そんな顔をするのは珍しい。
「確かに、そうだね」
そこへ父親の忠告が飛ぶ。
「ルティ、リラ、わざと駄目にするようなことはしては駄目だからね?」
「するつもりはないわ」
「うん。リラはそうだね。ルティもだよ?」
「…………」
「ルティ?」
「ルティもそんなことはしないわ。そうよね、ルティ?」
「………………………………うん、勿論だよ、姉上」
答えるまで間があったような気がするけど問題ないだろう。
「だからお父様、大丈夫よ」
「うん、そうだね。ルティはリラとの約束は破らないからね」
「ええ」
父が苦笑していたことだけは気になったけど。
などというやりとりがあったから両親は心配してルーティスをお留守番にしたのだ。
ルーティスはだがもともとついてくる気はなかったようだ。
「今日はアディが来るから」とごねたりはしなかった。
やはり姉の見合いより婚約者と会うほうがいいのだろう。
ようやく婚約者になれたのだから余計にそうなのかもしれない。
ルーティスとアンドレアはずっとそれを望んでいた。
だからこそ晴れて婚約者になった今、いろいろと話したいことがあるのだろう。
それにはリラージュがいないほうがいいのかもしれない。
何故かたいていはリラージュも一緒だったから。
いやあれは一応婚約者でもないから二人きりにならないように配慮していたのかもしれない。
いくら婚約者になったとはいえ、適度な距離は必要だ。
勿論二人ならその辺りはきちんとわかっているだろう。
リラージュよりも余程しっかりしている二人だ。心配はいらない。
むしろ心配をかけているのはリラージュのほうだろう。
お見合いが決まってからルーティスから、
「姉上、淑やかさを忘れちゃ駄目だよ。姉上は立派な淑女なんだから」
そう何度も念を押された。
外ではお淑やかに、とはいつも言われていることだから、いつものことだと流そうとしたら怒られた。
特に今回はついてくる気はなかったから余計に心配になったのだと思う。
だから「大丈夫よ」と告げておいた。
それでも心配だったようで出掛ける前にも念押しされた。
それにはしっかりと頷いておいた。
それで一応は安心してくれたようだった。
帰ったら話を聞かせてね、と言ってルーティスはにこやかに送り出してくれたのだった。
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