表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
婚約者を庇って呪いで猫になりました~なかなか快適な猫ライフです~  作者: 燈華
番外編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

67/67

婚約の打診

夕食の後でルーティスは父に頼んで時間を作ってもらった。


「そうか。王太子殿下の婚約者はルーラン公爵令嬢に決まりそうなんだね」

「うん。すごいいい雰囲気だったからほぼ確定だと思う」

「そうか。もともと公爵家の誰かと言われていたからね。順当か」

「そうだね」

「わかった」


父はルーティスを見て微笑む。


「トア家にはすぐに婚約の打診をするよ」


父はルーティスが頼む前に察してくれた。


「うん。ありがとう。お願い」

「やっとだね」

「……うん」


本当にやっとだ。

どれだけ待ち望んでいたことか。


「よかったね」

「うん」


素直に頷く。

そんなルーティスを微笑ましそうに見ていた父は無邪気な様子で爆弾を投下した。


「そうそう実はね、リラにもお見合いの話が来ているんだ」

「は?」


我ながら低い声が出た。


「ルティ?」


父が困惑した声で名を呼ぶ。

たがルーティスはそれどころではない。


姉にお見合いだなんて冗談じゃない。

一体誰が……?


そこまで考えてはっとする。

心当たりがあった。


「もしかして、ゼリア侯爵家?」

「そうだよ。よくわかったね。今日会ったかい?」

「同じテーブルだったよ。だけど姉上と親しく言葉を交わしてはいなかったはずなんだけど」

「そうなんだ。だったら話してみたいと思っていたのかもしれないね」


父は呑気に微笑(わら)っているがルーティスは心の中で歯軋りしていた。


やっぱりあの視線は気のせいではなかった。

お茶会が終わった後もしつこくリラージュを見ていた。

リラージュは相変わらず気にしてはいなかったようだけど。


でもまさかこんなに早く行動してくるとは思わなかった。

そこまでの興味を引いたとは。

これはルーティスとアンドレアの見解が甘かった。


こうなったら。

ルーティスは目を据わらせて父を見る。


「断って」

「え?」

「ちゃんと断ってよね」


父は厳しい顔になる。


「侯爵家からのお見合い話だよ。断ることはできない」


それくらいでルーティスは怯まない。


「父上は黙っていて。今姉上の婿候補を選定しているんだから」


アンドレアに手伝ってもらって家を継がない令息たちの情報を集めて精査しているところだ。


「嫁に出すのではなくて婿を取らせるつもりなのかい?」

「そうだよ。のんびりした気質の優秀な婿を取ってもらって二人に補佐してもらおうってアディと話しているんだ」

「聞いていないんだけど」

「言ってないから。婿候補もきちんと探していたんだよ」

「そういうことは当主である僕に話を通しておくべきじゃないかな?」

「候補を絞ったら父上に話を通すつもりだったんだ」

「遅かったね」


先に話しておけばよかったというのだろうか?


「今からじゃ遅い?」

「遅いかな。先に話を通しておけば考えてあげることはできたけど」


悔しさに歯噛みする。

順番を間違えてしまったようだ。

そんなルーティスを見据えて父はきっぱりと告げた。


「とにかく、リラにはこの見合いは受けてもらう。これは当主としての決定事項だ」




どれだけごねても父の決定を覆すことはできなかった。

読んでいただき、ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ