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婚約者を庇って呪いで猫になりました~なかなか快適な猫ライフです~  作者: 燈華
番外編

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王太子の婚約者と側近決めのお茶会に参加します。前編

まだルーティスとアンドレアが婚約していない頃のお話です。

リラージュとフェラルードは出会っていませんでした。

よろしくお願いします。

それは二年前のこと。


王太子の婚約者と側近を決めるために婚約者のいない令嬢と年齢の近い令息が集められ、王宮でお茶会が開かれた。

年齢が合致したためリラージュとルーティス、それにアンドレアも参加することになった。


リラージュとしてはルーティスとアンドレアと一緒ということで初めて王宮に行くことにも安心していた。


どうせリラージュは選ばれない。

それなら二人と滅多にない王宮の庭でのお茶会と絶対に美味しいお菓子を堪能してくればいい。


ルーティスやアンドレアは可能性があるがリラージュは欠片もないと自信を持って言えた。

王太子妃、ひいては王妃になる器などない。


そんなリラージュに苦笑しつつも二人とも優しい目をしていた。


両親も三人一緒ならと安心していた。

両親のルーティスとアンドレアへの信頼は厚い。


王宮に着き、案内役の侍女の後ろをついていく。

馬車の中で、王宮ではきょろきょろしないように、と二人に口酸っぱく言われたので、辺りを見回したいのを我慢して侍女の背中だけを見て歩いた。


「お三方ともこちらになります。始まるまではこの庭でしたら自由に歩いていただいて構いません。時間には席についていてください。何かありましたら控えている者にお申し付けくださいませ」

「わかりました」


ルーティスが返事をすると、彼女は椅子を引いてリラージュたちを一人ひとり座らせた。

どうやら席はきちんと決まっているようだ。

リラージュはルーティスとアンドレアと一緒のテーブルでほっとした。


案内役の侍女は一礼して戻っていった。


リラージュたちのテーブルには先に令嬢が一人座っていた。


「こんにちは」


にっこりと微笑(わら)って声をかけてくれた。


「わたくしはソフィア・ルーランよ。今日はよろしくね」


ルーラン家は公爵家だ。

慌てて立ち上がろうとするとそのままでと制される。


「ではこのままで失礼して。ルーティス・グーリエです」

「リラージュ・グーリエです。よろしくお願いします」

「アンドレア・トアと申します。よろしくお願い致します」

「ええ、よろしく」


ルーラン公爵令嬢は友好的な微笑みを浮かべた。

それから少し話すと彼女は立ち上がった。


「わたくしは少し席を外すわね」


一言告げてテーブルを離れていく。

知り合いを見つけたのか、リラージュたちに気を遣ったのかはわからない。

ルーラン公爵令嬢は侍女に話しかけてそのままどこかへと案内されていった。


それを目で追っていると離れたところにあるテーブルにお菓子が並べられていることに気づいた。

つい色とりどりのお菓子に目が釘付けになってしまう。


リラージュの視線を追ったルーティスが声を(ひそ)めて告げる。


「姉上、後で持って帰れるように頼んであげるから、お菓子に突撃するのだけはやめてね」

「マカロン、マカロンだけは……」

「うん、マカロンだね。マカロンを持って帰れるようにするから。わかった?」

「ええ。大人しくしているわ」


ルーティスがそう言ってくれるなら大丈夫だ。


他には誰も来ないので三人でおしゃべりして始まるのを待つ。

庭は気になるが動き回るとお菓子のほうに意識が向いてふらふらと寄っていってしまいそうなので我慢する。


少しするとルーラン公爵令嬢も戻ってきておしゃべりの輪の中に加わった。


それからそれ程の時間が経たないうちにそろそろ時間かと席を離れていた者たちが各々の席に戻り始めた。

あらかたの者が席に戻った頃、リラージュたちのテーブルに令息が一人案内されてきた。

席はちょうどリラージュの正面だった。


「あら、随分とゆっくりでしたのね」


ルーラン公爵令嬢が声をかける。


「まあ間に合ったし問題はないと思いますよ」


どうやら二人は顔見知りのようだ。

つまり彼は高位貴族なのだろう。

彼の視線がルーラン公爵令嬢以外の同じテーブルの者たちに向けられる。


「フェラルード・ゼリアだ」


ゼリア家といえば侯爵家だ。

リラージュたちが立ち上がろうとすれば、彼にも制される。


「ルーティス・グーリエです」

「アンドレア・トアですわ」

「リラージュ・グーリエです」


ゼリア侯爵令息がリラージュに目を留めた気がしたが、気のせいかもしれない。

一つ頷いて彼は視線を外した。

席は一つ空いていたが、このテーブルはこの五人のようだ。


気づけば辺りは静かになっていた。

いよいよ王太子殿下がいらっしゃるようだ。

緊張感が高まっていく。


少し待つと侍女と護衛を引き連れて輝く金髪と真っ青な瞳を持つ青年が現れた。

王太子のライアス殿下だ。

御歳十五歳。


一斉に立ち上がって礼を執る。

すぐに声がかかり、礼を解く。


現れた王太子殿下は短い挨拶をした後で近くのテーブルの空いた席に座った。

各テーブルには空席が一つずつあり、順番に王太子殿下が回ってくるようだ。


促されて各々椅子に座る。

侍女が各テーブルを回ってお茶とお茶菓子を饗していく。


そして、お茶会が始まった。

読んでいただき、ありがとうございました。

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