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第3話 自分を守る魔法の言葉
ある日の朝ごはん。プリンセスはお気に入りのコップで牛乳を飲んでいた。けれど、手元がふらついて、コップがカタン。牛乳がテーブルに広がった。
「わっ、ごめんなさい…!」
一瞬しょんぼりした表情。でもすぐに背筋をぴんと伸ばして、こう言った。
「だって、まだ3さいだから。できないこともあるの!」
パパは思わず吹き出す。どこでそんな言葉覚えたんだ。
まるで自分の弁護士みたいに、堂々と自己弁護するプリンセス。説得力も、ちょっと悔しさも、ちゃんとこもってる。
「うん、それもそうだね。大丈夫、大丈夫!」
パパがそう言ってティッシュを差し出すと、プリンセスもにっこり。
「いっしょにふこうね」
まだ3歳。でも、自分で理由をつけて、気持ちを立て直す力が育ってきてるんだなぁと、パパは朝の牛乳よりも胸が熱くなった。