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第一話「私のやりたい事」②
「君がその幽霊か…」
―廃校になった東中学校は一か月後に取り壊される予定にありながら
霊現象に悩まされ工事が着工できずにいる。
「というわけで僕が雇われたんだよね。
幽霊専門の教師なんだけど」
女学生幽霊は胴体を縄で結わえられ拘束されている。
そして『さわるな危険』の貼り紙。
本気なんだかふざけているのか、とにかく腹が立つ。
「胡散臭い職業」
「うん、なかなか飲み込みの早い」
イライラしながら毒づくも、簡単に切り返される始末。
「…よくわからないけど
私、除霊されるのか?」
私は少し冷静に戻ってみる。
今まで悪さをずいぶん重ねてきたな、
「除霊」が幽霊としての自分に当然の処遇ではないか。
「いやいや」
「長年校舎を離れらないという事は
君は学校に未練があるんだろう?」
縛られていた縄が優しく解かれる。
「僕が‟楽しい学校生活”を送らせてあげる」
「え?」