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第一話「私のやりたい事」①
『死後の生活は退屈だー』
旧校舎は木造建築。
昼間でも薄暗く怪しい雰囲気。
そこに珍しく来訪者が現れた。
埃っぽい廊下を歩く男の背後に
じっと見つめる気配が一つ。
「来た来た、久し振りの人間だ。
うんと怖がらせてやろ…」
いつものように耳元で囁けば誰でも戦慄する。
だって私は『この世のもの』ではないから。
いつものように脅かして、その間抜けた顔を見て嘲笑してやろう。
…そう考えていた
はずだった。
「!?」
目の前が暗転する。
顔を大きな掌で掴まれ身動きができない。
男は言う。
「つかまえた。
成仏しなさい。」
幽霊である私は
こんな得体の知れない男に敗北してしまった―