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「・・・シャロン様、キャラが崩壊しております。」
「あ・・・。」
彼女の傍で影のように付き添っていた侍女がそっと彼女にそう告げると彼女は、恥ずかしそうに姿勢を正して続ける。
まだ、あるらしい。
「そうそう。あと“真の愛”でしたっけ?貴女ホントにその方でよろしいの?」
スッと開いた扇子で口元を隠し、目を細めた彼女に一瞬たじろぎながらもベリンダ嬢は負けじと応戦する。
「そ、そうよ!!私は、シリル様と真の愛で結ばれていますのよ」
ぎゅうっとシリルの腕にしがみついたベリンダ嬢と対照的に青い顔をしたシリル。
「そう、ならいいのだけれど。
その方、つい先ほどこの会場で許可なく私の肩を抱き私を誘ってきましたよ。
そうね・・・、たしか・・・
“王宮に一室、部屋をとってあるからそこで二人で休もうか”・・・だったかしら?」
頬に手を添え小首を傾げたシャロン王女。
「シリル様!!!!?」
「(従兄よ、お前仮にも公爵家の人間だろう)」
アレクシスは頭を抱えた。
仮にも公爵家の人間が国賓、延いては友好国として交流の深い大国の王女の事を認識しておらず、無礼にも火遊びに誘っていたなんて。
ただでさえ、彼の女好きには叔父であるシスル公爵が頭を抱えており、王家でも問題視されていたというのに。
「シリル様!どういうことですの!?」
「ま、まってくれ誤解なんだ!!」
「誤解ではありませんわ」
「シリル様!!」
もう会場はカオス状態だった。
そろそろ傍観者ではいられないと、アレクシスが動き出そうとした時だった。
「―――もうよい。静まれ」
そんなに大きな声ではなかったように思う。
ただ、威厳のある声がしっかりと会場の皆の耳に届き、会場は水を打ったように静まり返った。




