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初めての会話、続き

 

 ヘルメースという存在はいったいどれだけ生きてんだ。

それに、そんだけ生きていて、今まで5人にしか会ったことがないって、

 どれだけの世間知らずなんだ。まあ、精霊だから寿命がない

からこそできることなのかもしれない。


 そういえば、ここまでの会話で俺たちのことを話していなかった。


ヘルメース自体は信頼できるかできないか判断つかない存在だ。

 だが、俺たちはあえて言わないことにした。

一番の理由は、たぶんこいつは俺たちの話を聞いても何一つ正しく覚えていない可能性が高いからだ。


 話さない方がいいこともある。そう判断したので言わなくても問題ない。

 

 なので、聞かれる前に先に今一番知りたいことを聞いた。


 「ここから一番近い人がいる場所はどこかあるか?」

 「あたしが教えるとでも思う、あたしにメリットがない」

 「しけてんな、もったいぶってないで教えろよ」


 ジンが少し苛立ち始めた、理由はカ0リーメイトというゆういつの食べ物が

実質的になくなって腹が減り始めたからである。


 「なら、メリットがあれば教えてくれるんだな」

 「ええ、それなら教えてあげるは」


 ただ、何にも思いつかない。

そもそも、物欲なんてあるのかすら謎である。

 人間ならばなんとかなるが、精霊だと何がメリットなのかわからない。


 可能性があるなら・・・


 「今後、この辺り一帯に人が来るようにしますよ」

 「そんなのに興味がない」


 はっきり言われた。てっきりさみしがりやだから人と話すことがしたいと

思ったのに、当てが外れた。


 「すぐにとは言わないが、また話に俺たちが来るならどうだ」


 ジンが発言したら、それには納得した顔をした。


 「それで手を打ってやろう」


 俺の発言と何が違うのかがわからない。違いなんてほとんどない、

なのに、これで手を打った。なぜだ?


 「何が違うんだ?」

 「簡単だろ、ここに言われて人が来ることが好きじゃないんだろ、

偶然ここにきて、偶然この泉に物を落とした人のもとに現れたいんだろ」

 「なんだよそりゃ、めんどくせえな」

 「仕方ないだろ、プライド高いから、そうやすやすと人前に現れたくないんだろうな」


 そういわれて理解した。その通りだなと思った。


 言ってしまえば、偶然の出会いを大切にしたいと。


 精霊なんて人の器で図ってはいけないな。こいつはそういう存在だ。


 「別にプライドなんて高くないわ」

 「「いやいやいや」」

 

 心からの言葉だ。

 

 「まあいいや、また俺たちが会いに来る、それで手を打つ、だから教えてくれ」

 「ここからそっちの方角に5Kmほど歩いたら人がいる」


 そんなとこに家なんてあったかなと疑問に思ったが、自分たちが見逃して

いただけだろうと考えた。ヘルメースが嘘をついた可能性もあるが、

その場合は、もうここに来なければいいだけなので何も問題ない。


 「知りたいことも大体聞けたしそろそろ行くか」

 「それもそうだな」


 俺たちがそんな会話していたらなんだか寂しそうな顔をしだした。

そんなに長く接っしていたわけではないが、そんなに人と話すことがないからだろう。


 「そんな顔しないでくれ、取り合えず落ち着いたらまた来るからさ」

 

 そうジンが慰めていた。


 「「またな」」

 「うん、ばいばい」


 そうやって笑顔で別れた。もちろん、作り笑顔である。


 基本的に友好的に接していたので向こうがこっちのことを信頼してくれたのはわかった。だが、俺たち勇逸の食料を無くしている。

 あいつのプライドのせいで。なので、形だけは友好的に接していたが、金のカ0リーメイトをもらった

時点でそれ以上の情報と信頼を得ることにシフトチェンジした。


 結果、失ったもの、カ0リーメイト一箱

    得たもの、金のカ0リーメイ、銀のカ0リーメイト、信頼、人のいる場所の情報など、


 「失ったものは結構痛かったが、それよりも欲しい情報が手に入ったと思えば安いよな」

 「仕方のないことさそれに関しては。俺が落としたばっかりに、すまない」

 「いいってことさ、で、またここに来るのか?」

 「時間の約束はしていない、()()()()()()なんて

約束もない’」

 「それもそうだな、気が向いたらまた来るか」


 笑顔でそんな会話をしている。

その会話が盗聴されているとも知らずに。


 二人は知らないが、森全域においてが彼女は聞く、見ることが出来る範囲である。

なので、すべての会話は聞くことが出来る。当然、彼らが裏切る可能性も考えていた。

お互い猫を被って会話していたのである。彼らが安っぽい人間ではないのは分かった。


 あの二人、なかなか面白そうな人間だなと、少しヘルメースの好感度が上がった。



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