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ババアは何者だ


 目の前にいる(元)奴隷、思っていたとうり、少なくとも俺たちより強かった。


 なぜ首輪を外したのか?疑問になるかもしれないが、俺たちはこのババアを見たときから

他の人間(少なくとも俺たち)よりもしかしたら強い可能性があると思っていた。

 

 見ただけだとそれは分からない。なのでそれを確かめる必要があった。

もし、首輪をしていた場合、鍵を手に入れるために俺たちを殺害する可能性があった。


 だから一回外した。もし俺たちの読みどうり強かったとしても、首輪を外していれば

殺される可能性はぐっと減るはずだ。逆に俺たちより弱ければ、もう一回首輪をつければいいだけだ。


 奴隷として買った本当の理由は、もしかしたら護衛としても使えるかもしれないと思ったからだ。

もちろん家事が出来ればそれだけでもよかったが、プラスα何かあれば文句ない。


 結果、読みは当たった。最悪な形で。


 「このババア、どうする?。お世辞にも、もう一回首輪を付けろって言われても無理な気しか

しないし、かといってこのままだと、ただ金を無駄にしただけになる」

 「3万まで値下げした理由が一気にわかってきたな。ヨレヨレな体してるくせに、筋肉の使い方が

異常なまでに上手い」


 ババアが一気に走ってきた。尋常なくらい早い。

一気に俺たちの前に来た。距離にして1メートルくらいのとこにいる。


ババアの体からは、想像できないくらいいいパンチが飛んでくる。


 【ヒュン】


 そんな音が聞こえた気がした。それくらい早いパンチが飛んできた。

俺の顔面にババアの右ストレートが飛んできた。


 ギリギリでそれに気づいて、何とか両手でガードが出来た。


 何発も食らいたくない。もってあと2,3発な気がする。


 ババアが次の瞬間体を左に半回転させて、左足で思いっきりジンの腹に向けてキックしていた。


 ジンはその足を両手で何とかキャッチ出来た。


 「はあ・・・はあ・・・きっついな」

ジンんがそんなこと言いながら足を離した。


 「この老体を買うなど、あなたたちはどうかしていますね」

 

 いきなりババアが話かけてきた。このババア話せるのか。

声が変だな、声帯を変えれるのか?。話が出来るなら、まだ平和的解決が出来るかもしれない。


 「なぜ俺たちを襲う?襲う理由なんてないはずだ」

 「確かにないかもしれませんね。しいて言うならうっぷんをぶつけているだけですかね」

 「一応言っとくが、俺たちが買ったご主人様だぜ、主人を殺すなんて奴隷失格だろ」

 「見余った物を買ったそちらに落ち度がありますし、猛獣を買うならそれなりに

覚悟が必要だと」

 

 それを言われると、そのとうりだ。ネコかと思って買った動物がチーターだったくらい

衝撃だ。こっちが圧倒的に不利だ。


 どうする? このままだと俺たち死んじまうよ。

 

 「ここは平和的に行こう。何か望みはあるか?、俺たちがそれを用意したり出来るかもしれない」

 「望みですか。あるにはありますが、果たしてあなた方に用意できるかどうか」

 「なんだ、とりあえず言ってみると言い」


 微かな希望が見えた。そんな気がした。その一瞬だった。

ババアにちょっとの希望を見せられた。ババアは俺たちに攻撃をしてきた。


 ババアが下からすくい上げるように俺の腹にパンチしてきた。


 「う・・・うう・・」


 思いっきり食らってしまった。

完全にやられた、油断したからモロに食らった。


 めっちゃ痛い。立っていられなくて膝が地面についた。

気絶しそうなくらいだ。


 「エイジ、大丈夫か」

 「ああ、何・・・とか・・・な」


 呼吸がきつい。このババアのパンチ、さっき俺が受け止めたパンチと

威力が全然違う。


 これで腹が決まった。このババアをどうにかするではなくて、俺たちが逃げる

事にシフトチェンジしないと、俺たちに希望が無い。


 3万は、盗まれたと思って割り切るしかない。


 何とか精一杯の力を振り絞って立ち上がった。


 「あなた達に、逃げる選択肢があると思っていますか」

 

 ババアがそう言ってきた。もう終わりかもしれない。逃げる希望もなくなった。

舐めすぎていた。ここまで太刀打ち出来ない強者だと思っていなかった。


 目の前にいるババアは俺たちを完全に殺す気だ。

 

 割り切るしかない。命を懸けて、このババアを殺すか、俺たちが殺されるか。


 「殺るぞ、ジン」

 「おう」


 取り合えず、俺は地面に落ちてる木を手に取った。

大きさはそんなに大きくない。短刀くらいしかない。


 このババアを殺す。一人ならきついかもしれないが、2人なら何とかなるかもしれない。


 一気にババアとの距離を詰めた。

そして、ジンが砂を手に取ってそれをババアの目に向けて投げた。


 ババアが砂を左手でガードしたことで、僅かな死角が出来た。

俺がそこから不意を突いて、手に取っていた木の棒をババアの心臓に向けて突き刺そうとした。


 ババアはそれに気づいて、足で俺に攻撃をしてきた。

だけど、ジンが俺のことをかばってくれた。


 だから、ババアは心臓に突き刺そうと棒を左手でつかもうとしてきた。

その瞬間に、狙いを僅かに上にした。


 最初から、心臓を狙っても、無理だと思っていた。だから、ババアの眼球めがけて

棒を突き刺した。


 ババアの反応が遅れた。いける。目を奪えば俺たちの離脱成功率が格段に

上がる。


 だけど、ババアが右手の肘を使って、狙いをそらした。

ババアの右手の肘の部分に、傷が出来た。


 見方によっては、深い傷かもじれない。


 だけど失敗した。同じ作戦は通用するとは思っていない。

一回限りの挑戦だったのに。


 「面白いですね。勝てないと考え、逃げれないと考え、それで殺すことに

頭を切り変えておきながら、最初に目を狙ってくるとは」


 ババアがそんなことを言ってきた。


 完全に空気が変わった気がした。一気に場が重くなった気がした。


 それはジンも感じているみたいだ。


 恐怖しかなかった。


 「お返しをしないといけませんものね」


 そう言われ、ボコボコにされて、気を完全に失った。


・・・   ・・・   ・・・   ・・・   ・・・   ・・・


 二人を半殺しにした後、ババアは一人立っていた。


 さっきまで殺そうとしてきた者たちは、地面に転がっている。


 酷い状態だが、殺してはいない。


 やりすぎたとは当然思わない。殺そうとしてきたのなら、

こうなることも覚悟の上だろう。


 最初に殺そうとしたのが私であっても。


 「まあ、いいでしょう。()()とします。」


 そう言って、二人を後にして、どこかに消えていった。


 


 


 


 



 

 


 


 

 



 

 



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