どこに連れていく?
ここは一体?監視塔がそこらにあるし、周りは塀で囲まれている。
「ははは、完全に刑務所じゃねいか!」
「それ以外の何に見える、さあ歩け」
そう行って、歩くことしか出来なかった。
確かに刑務所にしか見えない。だがかすかに希望はあった。
もしかしたら南の楽園、美女と過ごす楽園に連れて行ってもれえると。
だが、現実はむさいおっさんしかいない地獄、女は50歳を超えたババア。
俺がね、もし熟女好きだったらある意味楽園になるがそんな趣味はない。
熟女好きには申し訳ないが、俺は若い子が好きなんでね。
「こういうとこに入るなら、先に裁判が先じゃないのか?」
実際に知っている世界の国は、裁判が決まってから刑務所に行くはずだ。
そこんとこはこの世界はどうなっているんだ、この人たちが間違えているのか?
「お前らは、ただの窃盗だろ、だったら裁判はしない。裁判は重い罪の奴らにしか適応しない、それに
そもそもにおいて、身分はが証明できないだろ」
確かにそうだ、俺たちには今、身分を証明できるものがない。
「それに、お前たちは一緒にいた連中とはそんなに親しそうになかったからな、だから今回は上には
移民として報告しといた」
「「え????」」
同時に声が出てしまった。
多分理由はなんとなく分かる。俺たちの着ていた服が、あのアーバンたちのとは若干違った。
俺たちが着ていたのは、多分盗んだものだから、系統というか、種族というか、文化が
違う存在に見えたのかもしれない。
それはこの場合、いい方向に風が向いている。
「まあ、しっかりと功績が認められれば、この国の滞在許可証が貰えるはずだ。」
「それは本当にありがたい」
「僕のことを移民ときずいていただいて、本当に感謝しかないです」
俺がお礼を言ったら、ジンがさらに褒めたことにより、警察の人も少し機嫌が良くなった
と思う。
「それで、僕たちはこれから何をすればいいのですか?」
何をして、この国の滞在許可証が得られるのか、考えれば基本は労働になると思う。
だけど、いったい何の労働をするのか、考えても答えが分からない。
「あーぁ、それなら中にいる先輩から聞くと言い」
ここでは言えないことなのか、どういう意図があるか全く予想がつかない。
そのあとは特に喋ることもなくずっと無言で歩いていた。
何分たっただろうか、体感では15分くらい歩いた気がしたが、実際は7分くらいだった。
そしたら、ついに目的地に着いた、そんな感じがした。
だが、そこには大きな扉があるだけだった。
「えっと、僕たちはこれからこの中に行くんですか?」
「冗談はやめてくださいよ大将」
そんな感じで嫌がる俺とジンだが、警察官はピクリとも笑っていない。
(おいおい、まじかよ、そんなんやだぜ)
(俺だって、なんでこの中に入んなきゃいけないんだよ)
なんでこんなに嫌なのか。理由はいたってシンプルだった。
この扉は、横ではなく下についていたからだ。
「ここからは私が連れていきます。お勤めご苦労様です」
「よろしく頼むぞ」
そう言って、今度は20代くらいの若い人と交代された。
「さあ、入ってください」
元気いっぱいでそう言われて、なんだかムカついてきた。
なんでこれから地獄に行くのに、こんなに元気あるやつに連れてってもらわないと
いけないんだよ。
でも、行くしかないのが現状である。
なんだかんだで歩き始めた、その階段を一歩一歩下がっていく。
階段は、一直線に下がるのではなく、円状に徐々に下がっていくタイプだった。
これは、つらい。
何がつらいかっていえば、終わりが見えないのもつらいが、何よりも脱獄が出来ない。
元々、ここでの生活が余り良くないなら、全然脱獄する気でいた。それなのに、この階段、
出口も、入り口も一つしかない。そこを塞がれたらもうどうしようもない。
当然、通気口はあるが、人が通れる大きさではないし、横ではなく、縦である。
完璧な脱獄対策な気がした。
こんなところで俺たちは良く分からないことをするのか。
きついな、それだけだった。
そして、目的地が近づいた感じがする。徐々に人の声が大きくなってきた。
「さあ、ここが君たちの新しいお家だ」
そういって着いた場所は、大きな洞窟ではないかと思うくらい大きい広い空間。
狭い牢獄を想像していたが、そんなことはなく、一つの世界が広がっていた。