第3話 分隊長 2
皆さん、ご愛読ありがとうございます!
テストもあり、投稿頻度は下がりますが、これからもよろしくお願いします!
「やあ諸君、おはよう!今から貴様らには山登りゲームをしてもらう。ルールはこの封筒の中だ。私が此処を離れてから5分後に開け給え」
そう言い俺は訓練場を離れる。自室に戻り、学校に通っている時に作ってもらっておいた銃を担ぐ。銘はNTW-20。南アフリカで使用されていた狙撃銃であり、超遠距離狙撃を可能にする。設計図を提供したら作ってもらえた。ただ、少し改変されたと聞いている。再現できない所や、改善点があったそうだ。
そろそろ封筒を開けたかな?内容はまあ山を登って下れと書いているだけだけど。少し難しいかな?
「良し。丁度5分経った。開けます」
基礎訓練
本日から一週間の内にここより北にある山へ登れ。持ち物は全て目の前にある鞄の中に入っている。それ以外の持ち込みは禁止だ。編成は四人一組、二組に分けて行う。山頂に到着し次第鞄の中にある名札を私が建てた木に打ち付け、戻ってこい。不正行為をしていた者は遠慮無く私の銃で撃ち抜くからな。
兵士達は先ず鞄を開けた。軍人として持ち物を把握することは基本であるからだ。
鞄を開けた者は皆驚愕した。鞄には食べ物どころか水すら入っていなかったのだ。中に有ったのはナイフ、銃、銃弾と名札だった。そして謎の袋。袋には「開けるな」と書いてある。白く薄い布で覆われているせいで誰もが中身を視認出来た。食糧だ。分隊長の意思は理解できた。この食糧を食べずに一週間耐え、山を登ることは不可能だ。詰まり、食べ物も自分達で調達しなければならない。ようやくこの訓練が過酷である事が分かった。
開始から7分。ようやく彼らはこの訓練の本質を理解した頃だろう。この訓練は、そもそも一週間で100㎞の行軍は中々のものであるし、途中からは雪山だ。その上自給自足で進まなければならず、テントの用意すら無い。そして俺は罠を仕掛けておいた。相当キツイだろうが、頑張ってもらいたいな。
「行軍、開始!」
私達はどのような事があるか不明なので、四人一組とはならず、八人全員での行軍を開始した。すると突如、銃声が鳴り響いた。撃ち込まれたのは20mm弾。当たれば間違いなく死ぬだろう。
「何だ!」
その後も4発程撃ち込まれる。敵襲を疑ったが、まさかここまで敵襲の情報が伝わってきていない筈は無い。敵襲があれば動くのは我々だからだ。
「皆!四人一組に別れよう!全員で行軍しているから分隊長が撃ってきているのだろう」
そうだ。分隊長は我々が不正行為を行えば撃つと言っていた。四人一組と言う規則を守っていなかったから撃たれているのだろう。
やはり発砲は止まった。分隊長が発砲していたのか。
この事で、皆の心には「ずっと見張られている」という意識が芽生えた。食糧を食べたらどうなるのだろうか。それこそ本当に撃ち抜かれるだろう。
恐怖を感じながら我々は行軍を続けていった。