第2話 士官学校 2
こんばんは!
眠たいです。
一週間もの間ずっと乗り心地の凄く悪い車に乗り、ようやく士官学校に着いた。見た感じは学校というより模擬訓練場と寮みたいだ。やはり軍人養成のための学校、という感じがする。
「ここだ。頑張れよ」
意外にずっと付いてきてくれていた、最初に出会った衛兵さん。結構心強かったので少し名残惜しいな。
「今までありがとうございました」
これから一年はずっとここから出られないのか…。まあ進級のためだ。頑張ろう。
全寮制ではあるが、予想していた相部屋ではなく、一人一室与えられていた。そこそこの待遇だな。
授業が始まった。午前は座学だ。内容は戦術や陣形、上下関係を教わる。軍人を育成する為だけの学校だ。生徒の年齢は多分俺より上、二十前半くらいが殆どだろう。
午後は実践訓練。実銃を使ったり、ゴム弾での模擬戦も行っている。
「アルト!貴様は狙撃銃ができると聞いている。1500m先のあの的を射抜け」
「分かりました」
ッタァーーーーンッ!
はじめで使った銃と全然使い心地は違ったが、難なく射抜けた。
「お、おう。良くやった。ただもっと修練を重ねるようにな」
どうせ新人イビリでもしようとしていたのだろう。残念だったな。
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ようやく十ヶ月が過ぎた。とても長かった。今は卒業論文を書いている。
論題は「支援部隊が敵小中隊に及ぼす好影響について」だ。
狙撃部隊や補給部隊など、裏方の部隊ではあるが、此等があるのと無いのでは、防衛でも侵略でも歴然の差が現れて来る、という論文だ。実際に実験を行う事は出来ないので、あくまでシミュレーションではあるが、有益な論文であるだろう。この論文を読んでもらえれば、後方部隊への評価も上がるだろう。
【ここの文書は削除されました】
無事に卒業できる事が決まった。論文がどこまで評価されたのかは分からないが、卒業後に伍長の階級に進級できるそうだ。
もうすぐ戦場に行ける。今までゴム弾しか使ってこなかったので、早く実弾が撃ちたい。敵を倒せる快感を味わいたい。その為にこの一年我慢してきたのだ。早く、戦場へ!