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明日へ  作者: ちゃむ
幻影の町
19/60

マリオネット飛翔③

月明かりが照らす。

それだけだった。

私はビルの最上階に一瞥をくれてやると、正面の扉から中に入って行く。

歩く度にショートブーツの心地よい音が鳴り、静けさに色を足していた。

エレベーターは使えないと教えられていたので階段を使うことにした。

無表情で上に上に向かった。

窓から月の光が入り、廊下を銀の世界に染め上げている。

5階に差し掛かったところで異変。

何処からともなく、エコーが付随したような笑い声が聞こえた。

「不気味……いや、魔的だな」

私は軽口を叩き、再び歩み始める。

次第に笑い声のボリュームは上がっていった。

上に進むのに比例するかの如く。

そしてあと一歩で9階に差し掛かり、笑い声の音量がピークに達した。

瞬間、気がつけば私は1階の正面の扉を入った場所に居た。

笑い声も止んでいた。

キョロキョロと辺りを見回した。

間違いない、1階だ。

さっき9階に着いたのに、1階だ。

くだらない手品をされた気分、私は舌打ちをした。

考えても仕方ない気がしたので、また階段を登ることにしたのだった。

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