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小さな花②
最近はよく眠れるようになった。
数ヶ月前までは忙しくて、あまり睡眠に時間を割けなかったからだ。
とりあえず忙しい日々は一段落し、フユコも無事にこちらに来れた。
私はホットコーヒーを飲みながら、目を擦る。
今日は1日、ダラける日にしようと決めた。
そんな中、フユコが風呂場に向かうのが見えたので声をかける。
「今日も朝練ご苦労さま。シャワーは私も後で使うから早く済ませてくれよー」
ここ数日、毎日のようにフユコは建物の庭で体を動かしていた。
リハビリも兼ねての暇つぶし運動だ。
私はホットコーヒーの続きを楽しみながらタバコに火を着けた。
あの子は頑張りすぎる節があって、何でも1人で抱え込むタイプ。
負けず嫌いだし意地っ張り。
私に似ている様な気がして、少し笑ってしまった。
兎にも角にも今はコレで良い。
軽く伸びをして、2本目のタバコに手が進んだ。
すると部屋の扉の方から、早死にするぞと既に死んだ事のあるやつに言われたのだった。