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明日へ  作者: ちゃむ
幻影の町
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小さな花

あの子は1人だ。

訳も分からず、1人、この世界に来た。

それでいて落ち着いている。

この建物から出ていこうと思えば出ていける。

だが、そうするとこの世界に混乱が生ずる。

自殺した前科があるくらいだ、またするかもしれない。

しかし、本来この世界にフユコは居ない。

死体発見時、誰の死体だか分からないなんて恐ろしい。

あの子は全てを悟り、尚且つ取り乱さず落ち着いている。

この隔離された建物の中、なるべく外に出ない様に心がけているのだろう。

小鳥が飛ぶように自由になりたいと窓から外を見ながら……。

「フユコよ、こっちに来なさいな。昼ご飯、出来てるよ。昨日の残りものだがね」

暫くして、お茶の入ったコップを2つ持って、彼女はテーブルまで来た。

「後で買い物にでも行こうか。今日は天気が良いみたいだから、ついでに公園にでも寄って歩こう」

彼女、フユコは髪を掻き上げながら頷いた。

食事を終えて、支度をした。

外に出ても彼女は私の後ろに隠れる様に歩く。

そこまでしなくてもいいだろうに。

仕方ない、車を出そう。

私は彼女に恥ずかしがり屋さんめと窘めると、舌打ちをされたのだった。

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