第二十八話 風間くんはシスコン
いまさらなんですが、妹キャラの書き方どうですかね?
どなたか感想でアドバイスいただけると幸いです。
女の子は自分が着ている服がどこのブランドのもので、いくらで買えるかなど男の口から聞きたくはない。
むしろそんなことに精通している男はマジでキモイ。
ひょっとしてストーカー? やだー。
と怯える人が大多数であるという、驚くべき事実を姫宮さんは語った。
つまり、普段とは違う女の子を見たら「綺麗、かわいい、髪切った?」で五〇点。
加えて「その服いいね、その髪型も似合うよ、雰囲気変わった?」くらい言っておけば八〇点くらい稼げるものらしい。
そんな曖昧な言葉を使うより、ブランドの歴史や企業努力、コストパフォーマンスについて言及した方がよほど有意義だろうに。
と反論したのだが、そんなもの女の子は求めていないと一蹴されてしまった。
落ち込む僕に姫宮さん。
「さっきも言ったでしょう? 風間にはまだ早いのよ。今日は月島さんのプレゼントを選ぶことに集中しましょう」
口調がずいぶん柔らかくなった。
姫宮さんは普段から猫をかぶり興奮したときの口調は荒々しく、いきなり人に受け身不可能の投げ技を仕掛けるような非常識人だが、根は優しい女の子なのだ。
「わかった。ああしかし、せっかくのデートだと思ったのに・・・・・・」
「これもデートよ。落ち込んでないで、顔を上げなさい。あなた顔だけは綺・・・・・・悪くないのだから。そんな顔して隣を歩かれると、周りからの視線が痛いのよ」
「そうだね。せっかくの休日だものね。しかしそう考えると、いよいよ僕は幸せ者だ。姫宮さんみたいなモテモテの女の子と、一日過ごせるんだからね」
「あらどうも。しっかし、よくそんな歯の浮くような台詞を平気な顔して言えるわね。もしかして言い慣れてる?」
「妹とは、よく出かけるからね。褒めると甘えてくるんだ。とろけるほどかわいいんだなこれが」
「ああそうシスコン。仲いいのねシスコン。なら、デートする相手はみんな妹だと思いなさい。そうすれば幾分マシになるでしょうよシスコン」
「うーむ。よくわからない。妹と恋人は違うだろうに、同じ扱いでいいのかい? あとシスコンはやめてくれ」
「大切な人という意味では同じよシスコン」
シスコンが語尾のようになっているじゃないか。気にしたら負けというやつだろうか。
「大切な人・・・・・・素晴らしい響きだ。では、早速実行してかまわないかな?」
「言っておくけど、下着を一緒に選んだりはしないわよ」
「わきまえているさ。さあ」
僕は右手を差し出した。
それを見て、嫌そうな顔をする姫宮さん。
「乙女はそんな顔しない」
「妹とはいえ、他の女と彼女を比べるんじゃないわよ。それやったら一発で嫌われるわよ」
「気を付けるよ。それより、ほら」
「あんた、好きでもない女の子と手を繋いで、なにも感じないの?」
「好きじゃない人と手を繋いだことがないから、わからないな。姫宮さんは大切な人だから、手の届くところにいて欲しいんだ」
「・・・・・・そう。やっぱりあんた、なにもわかってないわ」
姫宮さんはそう言うと、先に立って歩き出した。
「手は繋がないわ。繋ぎたくない」
呆れている?
いいや、怒っている。理由はわからなかった。
仕方なく差し出した手を引っ込め、彼女の後を追った。
風間くん。デリカシーって知ってる?




