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妖精の四季  作者: 丘白月
5/9

第5話「妖精の和歌」

敦子を誘って

満月の小径を歩く

池から流れる川を

橋から覗きこむ


月が映っている

ゆらゆらと揺れながら

流れに逆らって留まっている


「不思議だね

水は流れて行くのに

お月さまは流れないね」


妖精は何か懐かしむように敦子に言う


「月は遠いから流れないんだよ

ずっとずっと」


妖精は遠い昔

冷泉家にいた頃を

思い出していた


「私は敦子が生まれるずっと前に

京都の歌の家にいたんだよ

今夜は同じ月の匂いがする」


「冷泉家の庭に月が降りる夜は

一緒に逢えない人を想ってた

歌うのはいつも遠い人のことだった・・・」


懐かしい和歌を口ずさむ妖精


妖精は煌く小川のほとりで

敦子に笹船の作り方を教えた


「ねえ今夜は月を運ぼうか」


妖精は詠いながら笑った



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