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妖精の四季  作者: 丘白月
3/9

第3話「妖精を見た」


学校から帰って来た敦子は

裏庭の椿を一輪切って

仏壇に添えた


レースのカーテン越しに

静かな黄昏が

コップを満たす水のように

ゆっくりと注がれて満杯になる


母が好きだった椿が

この冬も順序よく咲いていく

敦子は毎日数える


母と創った椿の歌を唄う


「赤い椿の妖精さん

赤い靴でお庭で散歩

赤い帽子で飛んでいる

私が見えたらお友達になってね

赤い手袋はいい匂い

赤いスカート咲いている

私が見えたらお友達になってね」


枝の先で花に半分隠れて

恥ずかしそうに

敦子を見ている妖精がいた


敦子は想い出の時間が棲む

庭を見ながらレースを引くと

ポツリ涙がこぼれた



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