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第二章 歪んだトライアングル ⑥



鷹崎  「二人に話したいことがある。今日の夕方、研究室に来れるかな?」




「なぁ、テン。清志朗のヤツ何か掴んだのかな?」


 オレと貂子は『統大』の清志朗の研究室へと向かっていた。


「確信を持てたら伝えるって言ってたし、そうなんじゃない?」


 清志朗と再会してから数日たち、半月ほど経った今日の朝にメッセージが入っていた。

 四葉の現在について調べていた清志朗からの招集。オレも貂子も有力な情報をまだ得れていなかったので、おそらく今日が第一歩となるだろう。


 研究室に来るのは二度目だが、慣れはなく緊張する。貂子は悠々とジャケットパタパタ歩きで先に進んでいる。


「ここだな、失礼しまーす」

「あっ、いらっしゃい二人とも」


 研究室内に西日が差し込み、本来なら眩しくてブラインドを閉めるところだが、清志朗はその陽を全面に浴びながらデスクに座っていた。プラス、今回はメガネをかけている。


 悔しいが、たとえ鬱陶しい西日だとしてもコイツに関わるとスタイリッシュだ・・・

 大人向け少女漫画のイケメン保健室の先生とのイケナイ放課後みたいだぜ。


「今コーヒー出すから、座ってて」

「鷹崎君、お構いなく」

「オレも大丈夫だ」


 インスタントコーヒーのビンに手をかけた清志朗だが、そう?とそのまま棚に戻した。

 その姿さえスタイリッシュ。


「清志朗スマン。ブラインドを閉めていいか?」

「あっ、ゴメンゴメン眩しかったよね」


「あぁ、色んな意味でな」


 ブラインドを閉めて、清志朗も対面に座った。


「鷹崎君、さっそくだけど話したいことって何?」

「あぁ。先日、灯宮さんは生きているってメッセージをしたよね?それから調べを進めてみたんだけど、二人はどうかな?」


「それが・・・」

「まったくだわ」

「そうか。大丈夫、逆にその方がボクも話しやすいから。二人の考えと逆行する答えが出てたかもしれないから」


 逆行する?それはどういう意味だ?


 それぞれ役割分担をしているから、方向も何もないはずだが。


「それはつまり、根本的なことってことね?」

「根本的?」


「あぁ、まさにその通りだよ。あれからネットで灯宮さんについて調べたんだけど、一つは先も言った生きているということ。行方がわからなくなった約一年半前から投稿はされていないけど、灯宮さんのアカウントは毎日ログイン状態が更新されていたんだ。常に最終ログインは午前〇時〇〇分だったことから、ログイン状態の自動更新設定をしていると考えられる。自動更新設定はログイン元のデバイスの電源がオンであることが条件であるから、もし仮に亡くなっていたら、ご家族がわざわざ灯宮さんのケータイを充電して常に電源を入れているとも考えにくいし、データ通信も解約していると思うんだ。月々の利用料金もかかるしね」


「なるほど、たしかにそれだと生きていないほうが不自然よね」

「そう。ハイジ君もここまでは大丈夫かな?」


 難しい言葉や横文字が多くてさっぱりだが、要は四葉のケータイが生きてるってことは四葉も生きているってことだろう。


「あぁ、バッチリだ。続けてくれ」

「わかった。二つ目が今日の本題なんだけど」


清志朗はデスクからタブレットを取り出して、画面をこちらに向けた。


「ツイスタの現在地を表示する機能があるだろう?あれは投稿時に任意で表示されるのだけど、最後にログインした場所もプロフィールから確認することができるんだ。灯宮さんのアカウントでは現在地表示をオンにしてあったからそれが確認できた。ココを見て」


 オレと貂子は、指されたポイントを画面に顔を寄せて見た。


「・・・周辺・・・?ってことは・・・」


「最低でも灯宮さんのケータイはソコにあるってことね」

「そう。ほぼ確実に灯宮さんも『関津(ソコ)』に居ると考えていいだろう」



 四葉が『関津』に居る?

 まさか、そんなことがあるのか……?


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