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 最終章 闇と正義の狭間で

「最終話 闇と正義の狭間で」

 

 闇から現れたカリバーは、レッドに向かってこう発した。

 「久しぶりだな、レッド」

 「カリバーさん?何であなたが?」

 「今は魔騎士カリバーではない。亜騎士のネストだ」

 そう、レッドの父を見捨てたカリバーは、その後すぐに、自らもしに直面し、ワイルドタイムに入って、とまらず亜騎士になったのだ。

 「なんで、父さんを裏切った」

 「なんで?うらやましかっただよう。お前やきれいな奥さんに囲まれて、凄腕の魔騎士とちやほやされて、理想の生活を送っていたお前の父親が。そして、今はお前も幸せそうじゃないか。だから、ダークの後継者になった俺が、お前を獣に襲わせたんだ」

 ネストは、伝説の災厄の亜騎士 ダークの後継者になったのだ。

 「あんたが、俺を?」

 「ああ。だから、今日はなかなか死なないお前を、俺が直に殺しに来た・・・といいたいところだが、俺が殺しに来たのは、ゼロ、お前だ」

 ネストは、倒れているゼロを指差す。

 「何でだ?ゼロは関係ないだろ」

 「うるさい」

 ネストは両手を挙げると、そこから出た闇の玉が、観客に襲い掛かる。

 そして、叫び声とともに、観客、MC、スタッフ全員がバトルドームから姿を消した。

 「なぜかって?お前は、こいつと会ってから、幸せそうな顔をしてんだ。お前を直接殺すのもいいが、大切な人が自分の目の前で死んでから、死ぬってのもいいかなって思って」

 「やめろ!」

 ワイルドタイム状態じゃなくなったレッドは、ぼろぼろの体で立ち上がり、ネストに襲い掛かる。

 「お前は、邪魔なんだよ」

 ネストがレッドに向けて腕を振るうと、そこから出た闇の波動によって、レッドは再び壁にたたきつけられ、気絶した。

 「そういうことだ、ゼロ。いっておくが、バトルドームの能力はきっておいた。だから、控え室には転送されず、ここで殺されるんだ」

 「・・・」

 立ち上がったゼロは、零式を構えて、ネストにダッシュして言った。

 「おりゃあ」

 両手に暗黒の玉を出したネストは、向かってくるゼロに向けて、放った。

 「・・・」

 それを、二つすべてよけ、不適に笑っているネストにたたきつけた。

 「ふん」

 だが、ネストは右手に暗黒に染まった件を出すと、零式の斬撃を防ぎ、ゼロを後ろに弾き飛ばした。

 「・・・」

 ゼロは、足をまげてすぐさま、再びネストに襲い掛かっていった。

 「こりないねえ」

 レッドにやったように、闇の波動を飛んでくるゼロにたたきつける。

 「・・・」

 攻撃を受けたにもかかわらず、ゼロは一言も発することはなかった。

 「むかつくやつだね」

 高速で、ゼロの前にやってきたネストは、暗黒の剣をゼロに向かって振り下ろす。

 即座に、ゼロは零式で防いだ。

 「はあああああ」

 ネストは、剣に体重を乗せるネスト。

 だが、ゼロはそれを力を入れて、今度はネストを弾き飛ばした。

 「ぐ、やるじゃん」

 弾き飛ばされたネストは、何小物の暗黒の玉を、ゼロにたたきつけた。

 「・・・」

 ゼロは、暗黒の玉が自分に来る前に、零式をその場で振るった。

 そうすると、なんと刀から斬撃の波動がくり出された。

 その波動は、玉すべてにあたり、破壊された。

 「能力かい?教えてくれよ、お前の能力は何だ?」

 「ただの・・・」

 「ただの?」

 「ただの人間だ。能力はない」

 「何?」

 「・・・」

 それだけを言って、黙ったゼロ。

 ゼロは、ただの人間。

 魔騎士は能力がなくてもできるが、能力なしに戦う場合、市と隣り合わせ名確立が、倍になる。

 だが、ゼロはそれでも強い。

 さっきの波動は、一流の剣士が出せるか出せないかの技。それを、ゼロは一ヶ月で自然に身につけたのだ。

 そして、ゼロは音速でネストに走っていき、一メートルぐらいになると、零式をたたきつけた。

 それをネストは黒い剣で防いだ。

 だが、ゼロは一回、もう一回、もう二回と剣にたたきつけ、七回目にしたから切り上げ、剣を中に弾き飛ばし、がら空きになったネストのはらに、零式で斬り放った。

 の、はずだった。

 だが、なんと零式の鋭い銀色の刃が、ネストの体を通り過ぎた。

 零式がどんなに切れ味が鋭くても、人を真っ二つにすることはできるかもしれないが、亜騎士のネストは、黒い鎧を着ている。なので、不可能といっていい。

 だが、通り過ぎたのだ。

 「ふふ」

 不適に笑ったネストは、ゼロを蹴り飛ばした。

 「はははは」

 蹴り飛ばすと、ネストの体が元通りになっていく。

 「お前のその剣は、封印とうだろうが、俺の闇は防げないようだな」

 「・・・」

 「行くぜ」

 矛先が地面に刺さっている剣に手をかざすと、剣が闇になり、ネストの手に転送された。

 そして、その剣を構え、ゼロに走っていき、剣をたたきつけた。

 「・・・」

 ゼロは軽やかにターンして、その攻撃をよけて、再びネストを斬りつけた。だが、また刃は通り過ぎ、ゼロはネストの攻撃によって、 「終わりだ」

 ネストは剣を天にかざすと、その矛先から暗黒の巨大な玉が現れ、剣を下に振るうと、暗黒の玉も、倒れているゼロに向かっていく。

 「・・・」

 その暗黒の玉を、もろに食らうゼロ。

 「ははははは。死んだか」

 暗黒の玉が消えると、そこには鎧もろともぼろぼろになっているゼロの姿だった。

 「まだ・・・」

 だが、ゼロは死んでなかった。

 あのゼロとは思えないふらふらなすがたで立ち上がるゼロ。その目は、死んでいなかった。

 「俺は、弟も、レッドも守る。ついでに世界も守ってやる。俺は、守りたいものがあるんだ!」

 そう叫んだゼロの体が、白く輝いていった。

 「何?ブリッツ遺伝子?」

 そう、ゼロは能力はないが、ブリッツ遺伝子の持ち主。

 ゼロは刀を鞘にしまうと、武器を持たない状態でネストに走っていき、距離が縮まったところで、左足を炊く上げ、その左足が元に戻る勢いで、右足を上げて、ネストに向かってハイキックを放った。

 「ぐう」

 なんと、その蹴りは闇のはずのネストにあたり、ネストは壁にたたきつけられた。

 「ふん。ワイルドタイムで、俺に触れるようなったか」

 「・・・」

 再び零式を抜いたゼロは、立ち上がったネストに、雷速で走っていった。

 「はあああ」

 その場で剣を振り払い、さっきの波動よりもより強力な黒き波動が放たれた。

 だがそれを雷速でよけ、零式をたたきつけた。

 「く」

 ネストはそれを、剣でぎりぎりでよけてはじいたが、ワイルドタイムに入ったゼロは、すぐさまネストを斬りはなった。

 「ぐわああああ」

 倒れるネスト。

 ゼロは零式を突き刺そうと思ったが、ネストは闇になって、反対側の壁に映った。

 「おおおおお」

 ネストは無数の暗黒の玉を放つ。

 ゼロはそれを感知して、ネストのほうを振り向くと、暗黒の玉が襲い掛かってきていた。

 「・・・」

 それを、裸子億で走りよけたり、零式で斬り放ち、ネストに近づいた。

 だが、ワイルドタイムの時間が、五秒に差し掛かった。

 五秒

 零式を構えた。

 四秒

 ネストの懐に入る

 三秒

 お尻を後ろに引く。

 二秒

 体をネストに寄せる。

 一秒

 ネストを斬りつけた。

 零秒

 刃がネストにあたった。

 だが、その零式の刃は、ネストの体を通り過ぎた。

 「はっはは。時間切れだ」

 ゼロを殴り飛ばしたネスト。

 「こうなったら。あれしかないか・・・」

 そう小さな声でささやいたゼロは、零式の矛先をネストに向けた。

 「ま、まさか」

 ゼロが何をやるのか察したネストは、あせりお恐怖感が芽生えた。

 「・・・」

 ゼロがゼロ式に力を入れると、ネストは強制的に闇になり、零式に吸い込まれていった。

 「俺を封印したら、お前の命も引き換えだぞ」

 封印刀は、モンスターや亜騎士の能力を低下するほか、強力なモンスターなどを、自分も封印することで、封印することができる。

 「うわああああ」

 闇になったネストは、零式に封印された。

 「レッド」

 ふと、レッドのほうを向いたゼロ。だが、そこにはレッドの姿がなかった。

 「俺にもかっこいい格好させろよ」

 そうレッドの声が聞こえると、零式が何者かによって奪われた。

 「レッド」

 その人物は、いつの間にか目覚めたレッドだった。

 「じゃあね」 

 そうにっこり笑って、零式に吸い込まれた。そして、完全にネストは封印された。

 「レッド・・・」

 両膝を突き、刀を両手で持つゼロ。

 「うわああああああ」

 ゼロは、泣き叫ぶ。

 だが、レッドは公開してないだろう。

 いつものように、にっこり笑っているだろう。

            

                 完









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