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(完結)『隣の席の田中くんが異世界最強勇者だった件』  作者: 雲と空
第四章:暴かれた真実と、本当の敵

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43話:覚醒、新たな力

魔王アルカディウス様との会談を終えた私たちは、魔王城を後にした。

魔王様は全ての魔族に対し、私たちに一切の攻撃を加えないよう厳命してくれた。


私達を味方として認識させるため、智謀のダリウスが魔族領土にいる間だけという条件でついてきてくれた。


私たちは魔族領土から勇者や冒険者たちを追い返し、モンスターを駆除することで魔族領土の復興を助けることにした。


荒野に転々とある町や村を回って、破壊活動や略奪を働く勇者や冒険者たちを無力化していく。


撤退してもまた襲ってくることは分かっているので、私たちは彼らを一時的に牢屋に閉じ込めておくことにした。


食事代などの管理費はかかるかもしれないが、破壊活動をされるよりはずっといい。


魔王城からほど近い森を進んでいると、突如として怒号が響く。


「おい、魔族どもめ!お前たちの隠し財宝はどこだ!」


声のする方へ向かうと、そこには私たちと同じ転移者の勇者パーティーが、魔族の村を襲っている光景があった。


彼らもまた、「セレスティス」の言葉を信じ、魔族を討伐することが正義だと考えているのだろう。


「やめろ!」


田中くんが叫ぶ。

だが、彼らの耳には届かない。


「なんだ、お前たちも勇者か?邪魔をするなら容赦しねぇぞ!」


冒険者の一人が田中くんに向かって剣を振り下ろした。


その瞬間、田中くんの剣から放たれたのは、刃のような風の塊。


それは冒険者の剣を弾き、彼自身を傷つけることなく遠くへ吹き飛ばした。


「ぐわっ!」


「僕たちは戦いに来たわけじゃない。魔族領で略奪はやめてほしい」


田中くんの言葉に、冒険者たちは呆然とする。その隙に、由希子ちゃんが魔法をかける。


「グロー!」


冒険者たちの体が急に重くなったように動きが鈍る。


さらに、お姉ちゃんが素早く彼らの背後に回り込み、パンチを放った。


しかし、そのパンチは威力を調整されており、相手を気絶させるにとどまる。


「な、なんだお前たちは!?」


冒険者たちが混乱していると、麗華先生が前に出た。


「あなたたちの行為は、正義の名を借りた暴挙です。これ以上、この地の民を苦しめることは許しません」


麗華先生の背後には、無数の光の槍が現れた。


「ホーリーランス!」


槍は冒険者たちを囲むように地面に突き刺さり、彼らの動きを完全に封じた。


冒険者たちは恐れおののき、武器を捨てて逃げ去っていった。


「麗華先生、すごい…」


私の言葉に、先生はにっこり笑った。


その後も、私たちはいくつかの冒険者パーティーや、魔王領で暴れている強力なモンスターと遭遇した。


「縫合突!」


私は風のように駆け抜け、魔物の急所を一瞬で突き刺す。


レイピアに持ち替えた私の新たな攻撃だ。風の魔法も操れるようになり、敵の攻撃をウィンドウォールで防ぎながら、素早く立ち回ることができるようになった。


「ファイアーウォール!」


お姉ちゃんは、襲い来る巨大な魔物の進路を炎の壁で阻む。さらに、天から降り注ぐ炎の雨で魔物を焼き尽くす。


「インフェルノ!」


その力は以前とは比べ物にならないほど強力になっていた。


そして、由希子ちゃんの力も大きく向上していた。


「田中くん、クイック!」


由希子ちゃんの魔法で、田中くんの動きが目に見えて速くなる。


その速さで、田中くんは魔物の懐に飛び込むと、剣を振り下ろす。


「瞬殺斬!」


魔物は一撃で絶命した。


「すごいな、みんな」


田中くんは嬉しそうに呟き、自身の剣にも雷の魔法を纏わせる。


「雷の魔法剣!」


私たちの力は、魔王領での戦いを通して、確実に向上していた。


セレスティスに与えられた力は、魔族を滅ぼすためではなく、人々を守るために使う。

そう決意を新たにした私たちは、人間領へと向かうのだった。

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