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77いつもと違う感じ(タツヤ)

 

 他の冒険者のたちといえば、俺たちが眷属たちを片づけるのを何もできずに、ただ、傍観するだけだった。

 ふと気づけば、その場にいた眷属たちは全員片付いたようだ。

 いったん落ち着きを取り戻す。


「おい、Dラン、やるな。」


 例の偉そうな冒険者から声を掛けられるが、このぐらい別に大したことではない。


「ふん、眷属を数匹片づけたぐらいでいい気になるんじゃねぇよ。」


 同じ班の別の冒険者からは、負け惜しみのようなことを言ってくる奴もいるが、そんなのはいつものこと。


「何よ、何もしてないくせに。」


 と霞は食ってかかる。


「よせ、霞。ことを荒立てるな。」

「あんたね、少しは反抗したらどうよ。」


 霞は、そんな冒険者がいることが気に食わないらしいが、いいのだ。いつものこと。

 ただ、そんな霞に、周りの冒険者が食いついてくる。


「よぉ。そこのキレイなねぇちゃん。そんなDランなんて放っておいて、うちらのチームに入りなよ。」

「あら、やだぁ。キレイだなんて。」


 反抗すると思いきや、「キレイ」と言われた途端に霞は身をくねくねさせているのだが、なんだろうか。

 まぁ、霞とは、ただの隣人というだけの関係だ。俺には関係ないこと。

 ちょっとしたことから、しばらく一緒に行動していただけの関係。

 だというのに、ただ傍観していただけの冒険者にこうも霞に話しかけらると、ちょっとイラっとする。


「おい!」


 思わず、声が出てしまった。


「あぁ?たかが眷属数匹を倒したくらいで、所詮Dラン風情が。」

「何もしてないやつに言われる筋合いはない。」

「ふん、あんなやつ、俺でも倒せる。敢えて見てただけだ。」

「だったら、とっとと動け。こんな状況下で、人の知り合いをナンパしてんじゃねえよ。」

「あぁんだと。」


 どこぞの冒険者かわからないが、俺に向けて、炎の魔術を繰り出してきた。おそらくはただの炎。

 炎というのは、風に弱いものだ。過去に幾度となく経験しているからわかる。

 俺は、高速で抜刀し空気を居合切りする。高速な居合は、風を巻き起こし、放出された炎は術者へのもとへと立ち返る。


「あつっ、ひゃっ」


 情けない悲鳴をあげながら、その冒険者は奥の方へと戻っていった。

 こういうどうしようもない冒険者というのはどこに行ってもいるもんだ。


 ただ、不思議な感覚だ。いつもの自分なら、こんなことしないはず。ただ傍観しているだけはず。なのに、なぜか、今日の自分は、自分でも意外なほどに攻撃的だ。


「あんた、たまにはやるじゃん。」


 俺の肩に座りながら、足をぶらぶらさせてるアリエルが声を出していた。もちろん、魔術をかけてるので人からは見えてない。

 ふと霞が俺に近づいて来た。一体何かと思ったが、俺の耳元でふと小さく囁く。


「タツヤ、ありがと。かっこいいじゃん。」


 思わず、顔面が赤面する。


「あら、うぶね。」


 と霞は笑みを浮かべてるが、顔面が火照ってるのが自分でもわかる。


 ツン、ツン


 と俺の顔を突っつくのは肩に座っているアリエルなのだが、不気味なほどのいやらしい笑みを浮かべてやがる。

 あとで、殺虫してやろう。うん。


 だが、すぐに次の瞬間、


 ズドン、ズドーン!


 という凄い地鳴りが響き渡る。

 その場にいた全員が音の方向へと視線を向けると、少し離れたところで、宙に浮いている深紅のドレスを着た銀髪の女性と、地には同じような銀髪の小さな女性の二人が対峙していたのだ。

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