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73寝起き(アリエル)

 

 どうも、久しぶりのアリエルなのです。


 ふと気づいたら、なんだか、夢を見ていたようなのです。

 タツヤにひもでグルグル巻きにされ、まるで次元の狭間のようなカラフルに色づく世界を引っ張られる夢なのです。

 何がなんだかよくわからないのだけど、このグルグル巻きがですね、意外と気持ちよくてクセになるのですよ。

 グフフフフ。


 なんだか、とっても不思議な夢なもんで、グルグル巻きのまま、カラフルな世界を引っ張られたと思えば、次は真っ暗闇の世界へと引っ張られるのです。


 そして、次はといえば、どこかの廃墟が一面草原なったような世界を引き回され、次はどこかの都会の世界に引き回されたのです。


 その次もまた、どこかの都会の世界なのですが、うん?タツヤ?

 タツヤが誰かを必死に探している様子が見えるのです。どうやら、目的の人を見つけたようなのですが、踏切に邪魔されて会うことは叶わなかったようなのです。


 そして、次は、人間たちが地下洞窟に作った大都市、ラビリンスなのです。

 ちなみに、ラビリンスでは、奴が居たのです。自称、最高血種の姫とか、痛々しいことを言っているバンパイヤ、アイギスなのです。どうやら好き放題暴れているようなのです。

 まぁ、どうせ夢なので、好き放題にしやがれ、なのです。


 と、可憐なあたしはグルグル巻きの状態で、片手うちわでアイギスの暴れる都市ラビリンスを天井から見下ろすのです。


 それにしても、このグルグル巻きが病みつきになるのです。


「もっと巻いて、もっと巻いて」


 ぺちっ、ぺちっ


「う、うぅぅ。」

「おーい、起きろ。アリエル。」


 ぺちっ、ぺちっ


 と、誰かがあたしの柔らかな頬を叩くのです。ここであたしは目が覚めたのです。

 あれ、ここは?


 周りを見渡せば、そこは、先ほどまで夢に見ていた大地下迷宮都市ラビリンスだったのです。それも、遠くのほうこからは煙が上がっていて、周りの建物も崩壊していて、酷い有様なのです。

 そして、そう、奴の残渣を感じるのです。


「あれ?もしかして、これって、、、夢、、、じゃない??」

「おい、アリエル、何が、『もっと巻いてー』だ。まぁ、人の趣味はそれぞれだが、あんまり変な趣味に走るなよ。」

「アリエルちゃん、、、だ、大丈夫よ。あたしは何も聞いてないから。」

「、、、え、、、、ちょっと待って。」


 そこで初めて気づいたのです。今まで寝言が筒抜けであったと。


 なんだか、体の底が熱くなって、それが顔面まで上がって顔から火を吹きそうなほど、恥ずかしくなるのです。

 霞の気遣いがこれまた、クリティカルヒットのように心の奥底に突き刺さるのです。

 どこかに、時間を戻す魔術はないのでしょうか。恥ずかしすぎて、生きていけないのです。

 あまりに恥ずかしさに、あたしは、姿が見えなくなる魔術をかけて、思わずタツヤの背後に隠れるのです。


「アリエル、そのまま、隠れていてくれ。今は、アリエルの存在を見られると厄介だからな。」


 とタツヤは真面目に話しかけてくるのですが、そこでふと気づくのです。

 そういえば、さっきまで地下深くを進んでいて、まるで色とりどりな空間を下っていたはずなのです。


「あれ、そういえば、なんでラビリンスに?」

「あのあと、アースホールをさらに深くまで進んだんだ。信じられるか?深層1500万mだ。睡魔の効果でもあるんだろ、アリエルはぐっすり寝ていたけどな。そこは、真っ暗な世界だった。けども、自分が望むと、望んだ場所の様子が脳裏に映るんだ。直感でわかったよ。深層10万mは重力の歪んだ世界、深層100万mは光の歪んだ世界、なら、この深層1500mの世界は空間すら歪み、物理法則の成り立たない世界、であれば、その世界へも転移できるんじゃないかってね。どうやら、その仮説は正しかったようで、こうして、深層1万mのラビリンスまで転移できたというわけだ。」

「そ。そうこと。このラビリンスで、あのアイギスが暴れてるが見えたのよ。放っておけないわね。」

「だから、このラビリンスに転移して戻ったんだが、お前がずっと起きずに、『もっと巻いて。。。』とか言うから。。。」

「ちょっと!ストップなのです!もう、何でもいうこと聞くから、もう、蒸し返さないで、、、それで、どこに向かっているのよ。」

「ギルドだよ。非常事態宣言が出されてさ、冒険者はみんな招集なんだとか。」

「ふーん。」


 とあたしは、二人の姿を見るのですが、二人のは姿は未だ、タキシード姿に、ドレス姿なのです。

 アイギスに服を変えられたままなのです。

 しかも、汚れて、もはや二人とも黒いタキシードが灰色のタキシード、薄ピンクのドレスが灰色のドレスなのです。

 なんというかですね、とっても場違いな気がするような気もするのですが、、、と特に何も口を出さずにいておいたのです。

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