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35久しぶりの戦闘(タツヤ)

 

 ピー


 RGF社の民兵が装備するハイテクの照準自動補正機能の銃だ。このピーという音は照準の設定が完了したことを意味する。


 何度も転生してきたが、中でも銃というのは、どの世界でも出てくる武器だ。

 だが、所詮は銃。銃というのは引き金を引かねば弾丸は発射されない。発射されてもターゲットに命中するまでにわずかながらの時間があり、銃身の方向を見れば弾丸の軌道などに容易に計算できる。

 つまるところ、いくつもの銃に囲まれたところで、何度も転生を繰り返した自分からすれば、脅しにも通用しない。

 回避など簡単だ。


 バ、バ、バ、バ、バ、バ、バ、バ、バ、バン!


 複数の兵士が自動小銃で俺を狙い打つ。外れた銃弾は地面へと当たり、地面は削れ、土煙が上がる。


「なんだ、もう終わりか。」

「バカ!油断するな!一撃でうちらを仕留めた奴だぞ。」


 どうやら戦いを舐めている兵士もいるようだが、油断をしていない兵士もいるようだ。それが、正しい。

 相手が引き金を引いた瞬間に、俺はすでに相手兵士の背後に周りこんでいた。

 銃を撃っている背後へと、小太刀を抜刀し一人の兵士へ峰打ちを与え、気絶させる。

 しばらくして、土煙が止むころには、地面には銃弾によって出来た穴しかなく、遅れて、背後にいるタツヤの気配にやっと気づくのだ。


「おい、ダメだ。こいつに銃は効かん!お前、時間を稼げ、後方の兵は、集団魔術の準備だ!」


 別の兵士が抜刀し、切り込んでくる。

 その間に、残った兵士たちは魔術の錬成をしているようだ。集団で一つの大魔術を放出するつもりだろう。


 だが、まず、切り込んで来た兵士が弱すぎる。

 何度も何度も転生を繰り返してきた。その中で剣術だけは長けたのだ。赤子を手をひねるようなもの。


 すぐに、剣筋をはじき返し、相手の懐に入り込む。


「ふん、遅すぎる。」


 剣の柄で相手の腹に一撃を入れると、相手は口から汚物を吐き出しながら、吹っ飛んだ。


 このまま、その後ろで魔術を錬成している兵士のところまで、飛び込み、魔術の錬成を邪魔させてもいい。

 だが、そうはしない。相手が弱いから。

 そのまま相手を倒しただけでは、再び、自分を狙いに来る。それよりは、圧倒的な力を見せつけて、勝つ。


 相手に魔術を錬成する時間を与えながらも、そのまま、ゆっくりと、兵士たちへと一歩、一歩、歩みを進める。

 一歩を進めるたびに、相手の兵士から余裕がなくなっていく。


「お、おい、まだか。」

「大丈夫です。いつでも行けます。」

「よし、いくぞ。RGFの兵をなぁ、舐めんじゃねぇぞ!。複合集団魔術、大雷撃!」


 大迷宮の中に、突如として暗雲が立ち込める。

 薄っすら暗い迷宮内が、より一層暗くなる。天井付近に雷雲が立ち込め、時折光る稲光がタツヤを明るく照らす。


「行け!!!」


 兵士の中のリーダーが叫ぶと、雷雲から怒号のようなけたたましい轟音と共に、至る所に落雷が発生する。

 だが、所詮は、雷、電気だ。ならば、地面へと受けた電撃を受け流すという回避方法もあるが、機動性が悪い。

 それよりは、落雷を避けて、進んだほうが良い。


 いくつもの落雷を避けて兵士のところまで進んでいく。周りから見れば常識外れの速さだろう。

 これも幾度となく転生を繰り返した間に身に着けた技だ。

 その様子を見て、兵士たちも、声を出す。


「う、嘘だろ。人間技じゃねぇ。」


 そして、あるところまで近づいたところで、再び小太刀を鞘に納刀し、再度、神速ともいえるスピードで抜刀する。


 神速をもこえる居合術。

 目にも映らぬ速さで相手兵士の集団を切り抜いた。

 しばらく、間を置くと、兵士たちの放った大雷撃の雷雲はおさまり、兵士たちが一斉にバタバタを倒れたのだ。


「あんた、人間の割にはやるじゃん!」


 霞に投げ渡したはずのアリエルが、ふっと、姿を表して、タツヤの横でアリエルが宙を飛んでいた。


「別に、これぐらい普通だ。」

「何よ、謙遜しちゃって。」


 だが、リーダーと思える兵士は、倒れてはいるが、まだ意識を失っていない。


「・・・き、貴様、わ、我がRGF社を、敵に回す気か。」

「お前らが、勝手に仕掛けてきたんだろうが。勝手にしろ。」


 兵士は倒れながらも、腕に装着した何かの装置に向けて声を出す。


「お、お、応援を、、、頼む。」

(こちら、司令部。おい、どうした?どこにいる?何があった)

「こ、こ、こちら、第一最前線調査部隊。グローリーホール最終区画、はぁ、はぁ、だ、大至急応援だ。冒険者が暴れている。手に負えない。ランク?ランクは、、、不明いや、『S』相当だ。なんでもいい、全兵力をこっちへ回せ。」


 おそらくは無線機か。

 まぁ、無線機など壊してしまえばいい。だが、わざとそうしなかった。そのほうが、こいつらに圧倒的な戦闘力の差を見せ付けられる。

 それよりも、こいつ、嘘ついた。俺がDランクなのは知っているだろうに、Sランクと言ったのだ。


 バタン。


 そのまま無線で会話していた兵士も気絶し、戦いは終わった。

 一瞬の静寂があったが、すぐに周囲のギャラリーは一気に騒めく。


「おい、てめぇ、金返せ!」

「あぶねー。100円でも賭けといてよかったー。」

「マジかよ。Dランに賭けてとかよかった。」

「ふざけんな、俺の全財産をつぎ込んだんだぞ!!」


 そこに、霞も現れるのだが、、、


「おっし。タツヤやるわね。こうなるなら全額タツヤに入れれば、良かったわ。」


 お前、まさか、RGF社の兵士側にも賭けてたのかと、突っ込みたかった。。。

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