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33/208

33グローリーホールへ、再び(タツヤ)

 

 地下迷宮は今もなお、さらなる地下を目指して探索が行われている。

 その最前線、冒険者であれば、一度は目指したい場所であるが、そこには例の魔獣の巣があるとかで、最近は敬遠されていたのだ。だが、その魔獣の巣とかいうものは、先日、うちらが片づけてしまった。


 となれば、そこは再び、冒険者たちが訪れるようになり、前回誰もいなかった前線には、今は冒険者たちが集まり始めていた。そんな中をタツヤたちは歩き進めるのだが。。。


(おい、見ろよ、あの男のプレート、Dランクだぞ。)

(Dランクでよくこんなところに来たな。低ランクはそこらへんで採掘でもしてろ。)

(いや、待て、女はBランクだぞ。)

(そんじゃ、男はあの女に守られっているわけか。)

(要は、前線に彼氏を連れて来たっていうことだろ。迷惑な連中やな。)


 ただ冒険者が集まっただけであれば、問題ないだろうが、このような最前線にはCランク冒険者が集まりやすい。低ランク冒険者への嫌がらせなどが横行されるというのは当たり前、毎日、何も知らないDランク冒険者が犠牲になっている。


 そして、今も周りからコソコソと話声が聞こえているのだ。本当にくだらない。まぁ、いつものこと。慣れている。


「うるさい!!」

「霞、いつものことだ。俺は大丈夫だ。気にはしない。」

「あんたは気にしなくても、あたしは気にするの!あんたさ、前にRGF社の民兵を一撃で仕留めたでしょ。それだけ強いなら、あんな奴らやっちゃいなよ。」

「やっちゃいなって、別に手を出しているわけじゃないだろ。放っておけばいい。ただ口が悪いだけだ。」


 冒険者たちは首元にランクを示すプレートを身に着けている。多くの冒険者はCランクなので、Dランクとわかるとなると、周囲から異端の視点で注視される。ちなみに、アリエルは、というと、魔術で人からは見えないようにしてもらい、俺の肩の上に乗っている。


「あんた、人から嫌われているのね。可哀そうに。」

「虫には言われたくないな。」


 そして、ここは最前線に最も近い場所。冒険者だけでなく企業も目をつけているわけで、RGF社の民兵たちもうろついているのだ。


 ふと、とあるRGF社の民兵が自分たちの方向へと向かってくる。


「朱音曹長、あいつですよ。あいつら、勝手にうちらの鉱床に手を出しやがったんです。」

「ほぉ。ちょっと、君たち、止まるのであります。」


 よく見れば、曹長と呼ばれている兵士は、赤い髪をしたRGFの女兵士だ。

 どこかで見たような気がするなと思えば、先日、魔獣の巣で迷宮ガラスの大群に追いかけられていた兵士じゃないか。

 それに、その背後にいるのは、自分が霞と出会ったときに、無理矢理ナンパしていたRGF社の兵士たちではないか。

 タツヤが一撃で気絶させた相手だ。


 朱音と呼ばれる曹長は俺たちの前に立つ。


「どうやら、先日、我がRGF社の鉱床を強引に奪い、その利益を独占したそうじゃないか。さらに、それだけでなく、それを止めようとした我が兵士たちを危害を加えたうえで、大ケガをさせたそうではないか。貴様ら、どう落とし前をつけるのであるのか。」


「は?」「は?」


 思わず、とんでもない言いがかりをつけられて、俺も霞も、思わず同じ反応をする。

 ふと、肩の上にいるアリエルが頬をツンツンと指で突く。


「あんたたち、そんな悪党だったの?」

「そんなわけないだろ。言いがかりだよ。RGFの民兵はタチが悪いからな。こうやって言いがかりをつけて金とかを請求してくるんだよ。悪党は向こうだ。」


 アリエルは何も知らないのだ。


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