31仲間たち?(タツヤ)
変態というとんでもない誤解を受けたが、これで大体アリエルの能力はわかった。
その後、霞と話をして、アリエルの能力を把握した上で、明日、再度のあのグローリーホールへ挑もうということになったのだが、若干、足がふらつく。どっかの誰かに生気を吸われせいだ。
あの野郎、生気はちょっとで大丈夫と言いながらも、ちょっとで済んだことがない。
生気を大量に吸われたせいで、若干、ふらつくし、思考もぼやっとしている。
霞は「今度、アリエルちゃんに手を出したら、タダじゃすまないわよ。」と言いながら隣の部屋へ帰っていった。
そして、アリエルといえば、虫かごの中にキレイに作った布団の中ですやすやと寝てやがる。
その布団、俺が捨てた使い古しのパンツだけどな。
―――
さて、俺たち二人と一匹は、グローリーホールの近くまでやってきた。
なんというか、とても斬新な気持ちだ。
だって、こうして誰かと一緒に行動をしているのだから。これって仲間って呼んでいいのかな。
今まで転生してからの世界、すべて自分一人だけの力で生き延びてきた。敵と戦うことだって、食料の調達することだって、ケガをしたときだって、すべて自分独りだけの力で何とかこなしてきたのだ。
こうして、仲間と呼べるような人たちと共に何かをすることなど、何年ぶりなのだろうか。繰り返し転生をしていた時間を含めれば、数百年、いや、数千年、下手をすれば万年という年月が経過しているかもしれない。
ずっと孤独だった。
話し相手も誰もおらず、誰かと笑いあうこともなく、ただ、生きるためにその日を生きる。そんな毎日を永遠に繰り返すだけだったというのに。
あぁ、今日はなんという日だ。
こんなにも仲間と冒険することが、そう、なんて表現するのか、いい言葉が見つからない。こう、「楽しい」と表現してもいいのだろうか。
そう、今日は仲間と共に、このグローリーホールの近くまで冒険をしているのだ。
今まで、ずっと無表情のままで、冒険をしていたのかもしれないが、最近は、すこし表情がほころんだような気がする。
それにだ。
自分はもう一度、霞の横顔をちらっと見る。
うん。やはり、似ているのだ。
自分が転生する以前に好きだったあの人に。
おそらくは、というよりも、まさか本人のわけがないので、ほぼ確実にまったくの別人ではあるのだが、それでも、まるで、好きだったあの人のすぐそばにいれるようで心地よいのだ。
好きだったあの人のことは、何度も転生して、何年も経過した今でも、忘れることはできない。
「なぁ、ちょっと聞いてもいいか?」
「何よ?」「何よ?」
面白いことに、2人とも同じような反応をする。
「うちら、って、、、もう、仲間でいいんだよな?」
「は?」「は?」
返答も、本当に2人とも同じような反応をする。
「違うに決まってるじゃない。」「違うに決まってるじゃない。」
「。。。」
「ただの隣人、たまたま目的が同じだから行動を一緒にしているだけで、仲間っていうわけじゃないでしょ。」
「あたしは妖精。どこかに人間に連れ去れたのだけでの可哀そうな妖精で、仲間のわけないでしょ。」
「。。。」
時折、グローリーホールの底から冷たく乾いた風が吹くことがあるのだが、ちょうど今、その風が吹き付けた。
どうやら、孤独の生活が長かったせいか、いろいろ勘違いをしていたらしい。
孤独の生活が長いと、つい、自分に優位なように思い違いをしてしまうものなのだ。
そう、一緒にいるからといって仲間とは限らない。。。
若干、心の隙間から、寒い隙間風が通り抜けるような感覚ではあるが、、、まぁ、孤独には慣れている。
それよりも、早くグローリーホールへと向かおう。




