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22小さな生命体との和解(タツヤ)

 

 崩れる岩盤からとりあえず避難する。

 アリエルの魔術で岩盤が崩れて、ひどい目にあった。


 噂では『魔獣の巣』と言われて、RGF社の民兵ですら、手こずっていた。それが、ほんの束の間で掃討した。


 何度も転生した世界のなかで、幾度となく魔術は見てきた。

 この程度の魔術はぐらいは見たことはある。でも、そう滅多にお目にかかれるものではないんだ。


 この世界では冒険者の技量は首元のプレートを見ればわかる。

 もう一度、霞の首元にあるプレートを、、、じっと見るも、確かにBランクを示している。

 Bランクにしては、高度過ぎる魔術。それに、風を使った魔術自体は大したことないが、迷宮ガラスを躱すように制御するのは、そこらの冒険者には無理な話なんだ。


「ちょ、ちょっと。何。」


 といって霞は顔面を赤くしながらも少し開き気味の胸元を隠した。

 別にそういうつもりはなかったのだ。。。


「最低ー。」


 虫かごの方を見れば、腕組みをし、偉そうに仁王立ちで宙を飛んでいるアリエルがいた。


「いや、違うから!!霞のランクが気になってプレートを確認しただけ、っていうか、なんで、お前はそんなに偉そうなんだ。」

「まぁ、あたしのおかけげね。」

「まぁ、否定はしないが、この崩れた岩盤はどう説明する。死ぬとこだったぞ。それに、お前、『死電撃雷』とか、恥ずかしい言葉を言ってなかったか。」


 そうは言ったが、アリエルの撃雷の魔術も凄い。

 天気を操る魔術らしいが、少なくとも、そこらのCランク冒険者なんぞに比べれば、比べものにならない。それに、アリエルは索敵や浮遊などの補助魔術も使える。

 霞も「洞窟でそんな強力な雷撃を使うな」と言ってたので、きっと、霞も同じ程度の魔術が使えるのだろうし、霞のほうが熟練度が上な気はする。


 これほどの高度な魔術には、そう、めったに出会えるものではない。


 そもそも、転生したことで、初めて魔術の存在を知った。

 転生する前の世界の人間たちからすれば、それは夢に描いていたが、誰も実現できなかったもの。


 そう、この世界に「魔術」は実在する。


 何せ、今いるここは深層1.5万m。地上の常識など通用しない世界。それが「深層」だ。

 おれは、霞が手にしている虫かごに近づき、鍵をあけた。


「あら、どうしたのよ。」

「気が変わった。」


 大迷宮には未知の魔獣はたくさんいる。中には人間の言葉を話し、言葉巧みに人間を操るのもいる。

 最初にアリエルと出会ったときは、それ系の魔獣かと疑っていた。けども、今ならアリエルを信用できる気がした。


「まぁ、わかればいいのです。この優しいアリエル様が今までのことはすべて水に流して差し上げましょう。」

「それでだ。お前の魔術なら俺たちをグローリーホールの大穴の底にまで連れて行けるのだろう?ならば、俺たちをその大穴の底まで案内してくれないか。」

「あたしを捕まえておいて、随分と図々しいのです。でも、まぁ、どうしても言うなら手伝ってあげなくもないのです。ただ、一つ条件があるのです。あたし、今、妖精の村を探してるのよ。探すのを手伝ってくれない?あんたと出会った場所、あそこに、妖精の村があったのだけど、引っ越すとは言っていたけど、気づいたら、あたしを置いて引っ越しやがって。」

「なるほど、妖精の村か。」


 妖精の村探しか。

 特に問題はないだろう。むしろ、そのような村があったというのは、この世界に転生してからも初耳だ。

 プロの地図職人としても、そのような村を調査できるならば、非常に興味深い。

 ただ、、、


「わかった。探そう。約束しよう。。。。ただ、お前、、、」

「な、、何よ。。。」

「残念な奴だな。みんなに見捨てられるなんて。」

「ち、違うのです!その、何か、訳があるはずなのです!こんなにかわいい妖精を見捨てるわけがないのです!」

「まぁ、理由は詮索しないさ。俺たちはこの迷宮を調査しつつ、妖精の村探しを手伝う、代わりに、お前は俺たちに魔術でサポートし迷宮の調査を手伝う、どうだ。」

「あら、いいじゃない。同盟成立なのです。」


 俺は、アリエルの小さな手を握り、握手を交わす。


「ああ、そうだな。こんな魔術の使える、、、虫と同盟を組めるとは最高だ。」

「おい!、だからあたしは虫じゃなくて妖精!ちゃんとアリエルって呼ぶのです。」


 ただ、目の前の妖精は、何か、モジモジしている様子だ。

 怪しい。。。


「その、、、あたしもね、、、言っておくわね。。。タツヤもそうだけど、こっそり、霞さんの部屋の冷蔵庫の中のケーキも食べていたの。」


 うん、知ってた。

 なんか、そんな感じがしていた。

 たまに冷蔵庫の中のモノが減ってるし、アリエルを見れば、お腹が膨れているし。。。うん?ちょっと待て、霞さんの部屋?

 霞の顔を見ると、眉のあたりがピクっ、ピクっと動いている。


「え、、、ど、道理で、おかしいと思ってたわ。タツヤ!売りましょう!億はするわよ。億は。」


 お前どうやって、、、隣の部屋の冷蔵庫に手をつけたのかは気になるところではある。

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