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10幕間:マッパーという仕事(タツヤ)

ここからは少し隣人の霞とは少し話題が変わります。

 

 地図を作る人を地図、Mapとかけて、マッパーと呼ぶ。

 プロのマッパーの朝は早い。


 窓のカーテンを開けて、部屋の中へ光を取り込むが、朝といっても、地中なので太陽がないかわりに、ラビリンスの天井に作られた人工太陽と、提灯虫と呼ばれる大深度の洞窟に生息する発光性の虫が照らす青い光が差し込む。

 窓からラビリンスの大広場の大木が天井にまで伸びている様子が見える。


 ここは、地下洞窟、深度1万mの都市がまるまる入るぐらいの巨大地下空間に作られた巨大地下都市、ラビリンス、当初はそのまんま地下都市などと味気のない名前をつけられていたのだが、ネット上でそう呼ばれてから、その名前が定着した。


 机の上を整理し、今日の調査原図と、コンパスと測量器をカバンに入れ、昨日までに完成した地下迷宮の地図を手に持つ。今日は、調査に向かう前に、完成した地図を地図商店へ売りに行くのだ。


 準備を整え、マンションの一室を出ると、地下都市ラビリンスを様子が一望できる。

 安マンションとはいえ、最新の建築技術で作られているので、そこそこの高層階である。眺望がとても良い。ここが深度1万mに作られた都市とは思えない。


 深度1万mといっても、都市がまるまる入るぐらいの巨大地下空間なわけで、洞窟の天井の高さは富士山がまるまる入るぐらいの大きさはあるそうだ。そこに所狭しと、発電設備が作られ、清潔な水を供給するポンプ、空気の循環設備といったインフラ設備に、それらを管理する会社のビルや、従業員の宿舎ビル、冒険者たちのマンションに、観光客向けの高級ホテルと、まるで地上の都市のように、高層タワーがニョキニョキと生えている。


 それらを縫うように、商店があり、食料を売る商店、発掘用の道具売る商店、鉱石の買取所、飲み屋といった商店が立ち並んでいるのだ。


 タツヤは準備を整え、マンションを後にする。向かうは「小さな地図屋さん」という商店街にあるお店だ。


「おはよう。リア。」

「あら、今日は早いじゃない。タツヤ君。新しい地図は出来た?」

「あぁ、ブロックEの最前線の地図を調査してみたよ。」

「おお!、ブロックEはリノウムとかいう新種の鉱物の鉱床が見つかったところでしょ。企業が目をつけてるから売れるわよ。」


 タツヤが話すのはリア、この「小さな地図屋さん」の店主さんだ。どこの国の出身なのかわからないが、白いピッタリとしたワンピースでスカートにはスリットが入り、そこから見える脚が何ともセクシー。どこかの民族衣装であろうか、東南アジア系だろうと考えていた。その姿が何とも似合っていて、銀髪のロングヘアを右肩で結んでいる姿とマッチしていてかわいい。


 ちなみに「小さな地図屋さん」の反対側は、飲み屋「地図売りの娘」という飲み屋になっていて、リアはその店も営んでいる。夜になると、冒険者たちが集まるので、そこで、地図も一緒に売りつけるのだそうだ。その際に、こういう衣装を着ながら売りつけると、男の冒険者たちからは、定価の倍額ぐらいで売るれるそうだ。


 。。。何ともずるがしこいというか、男って馬鹿だよな。


「はい、これ、昨日までの売上の10%分ね。」

「えぇ、これだけかよ。」

「そうよ。もう、この付近のエリアは、もう、採掘しつくされたから、あんまり需要ないのよね。」

「ちぇ、何だよ。」

「文句あるなら、早く、新しい地図を作りなさいな。」

「はいよ。そんじゃ、今日も調査に行ってくるわ。」


 タツヤはそう言ってわずかばかりのお金をもらって、再び、大迷宮の最前線へと向かうのだった。


 これがタツヤの日課なのだ。

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