ローザは腐レンドと語りたい
1月08日は逆やおいの日!と言うことで腐婦人ローザは影から愛を見守りたいの、2次創作を投稿します。
中村先生のXによると、マンガ版がニコニコ漫画さまで一位になったそうですね。おめでとうございます。漫画版、ローザが表情豊かで面白いですよね!
素敵なマンガ版貴腐人ローザ第一話の驚き顔スノーホワイトさんと、名曲BLOODY STREAMと、pixivで見た銀河うまぴょい伝説(ウマ娘✖️銀河英雄伝説の2次創作)の305〜308話に、創作意欲を刺激されて書きました。
詳細は活動報告に書いてます。
お話の下地は第二部の[ローザはフラグを回避したい]
時事系列は[御礼間話]沼よ、沼よ の少し後になります
現在ローザは
『次期王妃候補のひとりとして、その教育のため』
という名目で、定期的に王妃ドロテアの離宮に通い、読書会を行なっている。
とはいっても、『教育のため』と言うのはほぼ建前だ。
なにせローザときたら、難解な外国の古典まで当たり前のように履修しているのだから。
逆にドロテアが教えられることも多く、読書会で二人の関係は対等。しかし、学ぶのが好きな上に、半年ほど前、久方ぶりに味わった「友情」の甘美さにどっぷりとはまり込んだドロテアは、この関係性に満足していた。
「こうやって 彼らは神に召されます おじいさん お母さんも待つ 天国へ」
「これからは みんないっしょにいつまでも 楽しく仲良く 暮らすでしょう」
一節ずつ交代でおこなわれていた朗読が終わった。
鈴のように美しい声の主は『薔薇の天使』ローザ
そして、張りと艶のある声の主が王妃ドロテアである
(なるほど、こうやって音読すると、黙読ではわかりにくかった行間に対する理解がより深まるわね。)
ドロテアは感心する。
読書会の最近のテーマは、誰もが知っている有名な話を、深い所まで掘り下げることだ。その為にまず朗読し、その後感想や、考察を伝え合う流れとなっていた。
ちなみに、これは「エメスの死」の件でネタバレをかましてしまったと思い込んでいるローザが発案したものであった。
ネタバレ――それはローザからすれば、人類における禁忌中の禁忌。
自分がされたなら一生相手を許せない、おぞましい行為なのだから。
「さて、今回はわたくしが課題図書を選ぶ番で『フランダースの犬』を朗読した訳だけれど、ローザはどんな感想を持ったかしら。」
「そうですね……パトラッシュとネロの関係性には魂を揺さぶられました。主従関係が友情に変わり、そして愛へと昇華される過程が見事だと思います。」
ローザは感動していた
王妃と自分は、等しく薔薇神のもとに頭を垂れる、薔薇教の使徒であり「腐レンド」だと思っている。
そう、自分は今、かつて夢にまでみた同好の士と語り合っているのだ
警備や不慮の事態に備えて、ベルナルドやラドゥが側にいるので直接的な表現は控えているが、先程の言葉を翻訳するなら
忠犬✖️無垢な少年のカップリング最高ですよねー!
といったところだろう
ちなみに感情が昂り瞳を潤ませたローザは、周囲からは、ネロとパトラッシュの悲しい結末に同情し泣きそうになった慈悲深い女性に見えている。
「そうね、その解釈はとても素敵だわ。貴方ならまずそこに着目するだろうとも思っていた。それに加えて……実はね、この本は、貴方と重なるところがあると思って選んだのよ。」
声のトーンを落とし囁くドロテアにローザは驚いた。
流石は腐レンド、獣✖️ヒトの関係も履修済みで、こちらの性癖まで見破ってしまったらしい。驚いたがそれ以上に、非常に嬉しい。
ドロテアの言った『重なる』とは『好みが重なる』と言うことだろう。
先日、アントンと沼に感謝の歌を捧げた後
『人間同士の体格差程度では今や萌えないが、獣×ヒトほどとなればかなり興奮する』
という天啓をふと得たローザにとって、今回の課題図書はクリティカルヒットだったのだ。
「そ、そこまでお見通しでしたか……」
ローザは感嘆の声をあげた
もちろん、実際のドロテアの思惑は全然違う。
彼女は、ネロが誰からも愛されない期間の内に、他人からの好意や賞賛をすっかり諦めてしまった点を、ローザと重ね合わせていた。
ローザは、自分や我が子達が好意を向けても、自分ではなくて身近な別の誰かに向けられたものと捉えてしまう。
その原因も悲しいことにネロと同じで、博愛主義のローザが自身にだけは愛される価値を見出していないからと推理したのだ。
大当たりだ。
ドロテアの観察力と、女のカンが発揮された結果である。やはりこの王妃にはチューベローズよりも、薔薇こそが相応しい。
そして、そうなってしまった原因は、ローザ残酷物語とすら言える、ネロ以上に過酷な幼少期を過ごしたことが関与しているとドロテアは思っている。
大外れだ。
チューベローズの方がお似合いだったかしら。
「この物語を読んだわたくしの感想はね……過去に愛されない立場や事情があったとしても、これから自分が幸せになることは、諦めないで欲しいと言う事よ。」
前置きが長くなったが、つまるところドロテアが物語を通してローザに伝えたいのは、そういうことだった。
ネロとパトラッシュは死んでしまったが、あと一日生きていれば町の人から認められ、画家の弟子にだってなれていたのだ。だからローザだってこれから皆んなに愛されて幸せになっていいのよと。
「あの美しい結末、わたくしは嫌いではないのですが……」
ドロテアの言葉はローザに向けられたものだったが、ローザはネロとパトラッシュに向けられた言葉として捉えて答えていた。
重なり合うように眠るネロとパトラッシュ。町の人が話そうとしても強く絡みついて決して離れない手と前足、永遠に一緒だよと言うラスト……悲恋に思うところはあるが、貴腐人的には捗る美しい結末だと思う
「そうね、ローザ……でもね」
そこでドロテアは一拍置き、力強く宣言した
「想像力は、無限大なの!」
それは偶然にも、かってローザが孤児院の子供達に送った言葉と似ていた。ローザが驚き固まる間に、なおもドロテアは畳み掛ける
「現にライス国版なんかでは、ネロが息を吹き返す別のエンディングが公式として出版されているわ。」
ちなみにライス国は悲劇を嫌う国民性で、人魚姫などにも素敵な改変をしてしまう国だ。改変した話は、だいたい誰かとチューして虹がかかって終わる。陽気なことが大好きな国で、ピーナッツ領には童話をモチーフにしたテーマパークもある。
「それに、ずっと神の下で過ごさなくてもいいわ。知ってる?東の国では六道という考え方があって、何度も生まれ変わってやり直すチャンスがあるそうよ」
「六道……生まれ、変わる……」
ドロテアは、既に皆んなから愛されているローザが、これから幸せを感じられるように、想像力を発揮して欲しいと言う思いから極端な例を伝えたのだが、ローザは違う捉え方をした。
と言うか、先ほどの六道とか、生まれ変わると言うワードをきいて、何かを閃きかけていたのだ。
昔勉強した記憶によれば、六道とは確か、畜生道とか人道とかがあって、義に伴った行動をすればより上の道へ転生できるという内容だった気がする。
そこで、ローザの脳内に電流がはしる!
思いついた内容が、思わず口から溢れた
「た、例えばパトラッシュが人道に転生すると想像するのも……ゆ、許されるのでしょうか……」
「その調子よローザ!全然大丈夫、貴方が幸せになるように、自由に想像力を働かせていいのよ!」
そう言うものかとローザは思った
一瞬、「原作リスペクトは大丈夫か?」とも思ったが、アプトの里を救ったとき妄想でファズ達のお話を強引にハッピーエンドに持っていったので今更である。そして彼女は予定していた修道院行きを早めることで禊をしようとした、自分に甘い女でもあった。
お言葉に甘えて自由に想像力を働かせてみた。
人外が義に伴う行動をして、転生して人になり、薔薇の花を咲かせる。これはなかなか良い妄想に思えた。とりあえず『義人花』と命名しておく
そこからさらに考えてみると『義人花』の骨子は『動物や物や概念を、その要素、例えば動物耳とか、をもった人として再構築し妄想して愉しむ』ことにあることにローザは思い至った。
この概念を使えば『パトラッシュの擬人化』→『犬耳のベルたん』のような萌え画像も脳内再生できるようになる!
かって激しく感動したアプトの里の物語だって、今までは単に衣装の変わったベルたんとラドゥ達の画で脳内変換していたが、造形にそれっぽいパーツを付け加え、一段階進化した形にだってできるだろう。
念の為、『義人花』の概念は薔薇教の未来に腐の遺産となり得るものか再検証してみる
誰かを怒らせませんか
→はい、相手は動物や無機物なので大丈夫です
人に迷惑をかけませんか
→はい、頭の中で勝手に楽しむだけなので
受けは増やせますか
→はい、その要素があるものの数だけ無限に
薔薇教の教えに反しませんか
→はい、男と雄が愛し合うのも素敵です
ローザは維新を確信した
いま新しい概念が腐化したのだ
妄想の世界を広げる義人花よ
たった四はいで興奮で寝られず
貴婦人ヘッドを覗いてみれば、性癖歪んだ音がする
「ドロテアさま……あ、ありがとう、ございます」
ローザは今までのことを思い出していた。
ドロテアに出会うまで同好の士がおらず、孤独を感じていたこと。
自分はこれまで多くの春書をたしなみ、多様な濡れ場を愛でてきた自信があったが、その実は経験値ゼロの未熟者に過ぎなかったこと。
自分こそトップランナーのつもりでいたが、甘かった。
ドロテアはアントンに勝るとも劣らない歴戦の強者だったのだ。自分より長い期間孤独な活動を続け、また自分のいる場所などとっくに通り過ぎていたのだろう。
腐敗の呼吸使い、その柱の称号は、彼女にこそ相応しい
わたくしなど新米隊士がいいところだ
才能だって自分を上回る者が次々に生まれてくるだろう
実際はローザのこそ始まりの呼吸の使い手で、彼女を超える才能の持ち主は未来永劫現れないのだが、それを指摘できるものはローザの脳内にはいなかった。
「いいのよ、ローザ、役に立てたなら嬉しいわ。これから何があろうとも、わ、わたくしは……貴方の、味方よ」
感動に打ち震え涙を流しはじめたローザをみて、伝えたいことが伝わったと思ったドロテアは、自身も嬉し涙を溢しながら、ローザを優しく抱きしめた。
抱きしめられながらローザは思った。
ドロテア様と二人なら想像力は無限、ひだまりが聴こえる丘にだって、囀る鳥は羽ばたかない空へだって行けると。
貴腐人仲間と、さあ旅立とう
魂がぶつかり合うラムスプリンガの情景を探しに
そのまま二人は抱きあって、しばらくさめざめと泣いた。一見清らかな乙女たちの心が通い合った、アントンの好みそうな美しい情景であった。
しかし実のところは、一方は腐っており哲学的ゾンビのような状況だった。
ちなみに、後日の読書会ではローザが
『義人花なら人外✖️無機物もありですよね、ツバメの健気攻めと王子の無自覚受け最高ですよね』
と、幸せの王子を課題図書に指定することになる。
それをドロテアは
「幸せの王子のように誰にも理解されてこなかったが、不器用なりにレオンやクリスを愛してきた自分への遠回しな賞賛」
と捉え、再び感激の涙を流すことになるのだった。
別の中村先生の作品の2次創作も書いています
貼ってあるリンクから飛ぶついでに、評価とか感想とか入れてくれてもいいのよ(ゲス顔)




