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         1 転生

 転生を受けながらも冒険者は依頼達成のため行動する。声の力を借りて目的地に進む。

            1  転生



 気が付くと森の中で倒れて居た。巨大な魔獣に追われたこと思い出す。近く肉片が落ちているのが仲間達か。自分も死んだことは判る。転生された。その記憶もある。戦争で被災した人々を救済する医療団の医師だった。団員が集めた被災者を治療する。言葉の通じない患者もいる。必死に説明し手術をする。この治療院に暴徒が襲いかかる。患者を庇って女医は死亡して転生する。今彼女は呆然自失で行動が取れない。仕方ないので死んだ私の意思で動く。依頼された事は地下洞窟の調査だ。ここ居ても仕方がないので地下洞窟に向かう。ゾンビみたいなものか。背中から貫通した致命傷は完治している。服がボロボロなのは女性として羞恥心を感じるが人間がいないので実害はない。動く事に支障はない。装備も武具も防具も靴も機能している。出発だ。

 目的地まで遠くない。20分ぐらい歩くと目的が見える。誰も入らない気味の悪いところだ一人で入るのは気が引けるがと言って他に方法は思いつかない。入口の扉を開けた。古いせいか開け難い。瘴気を感じる。直ぐに扉を閉める。死んだ身には瘴気は心地よい。とにかく目的は封印された魔獣の確認だ。段差のある道を1 時間以上歩かないと目的の場所につかない。魔獣も居るし危険な場所もある。3人なら何とか乗り切れるだろうが一人で心許ない。

 不思議な事に力が溢れて来る感じがする。巨大ムカデが現れた。こいつの厄介なところは急所ないところだ。一応頭部が急所と言われるが頭部を潰しても死なない。剣が動かせなくなったら守れない。数人なら刻んで終わりだが一人では難しい。心の声だ。

「風魔法、エアシールドを纏い、ウインドカッターで刻むのよ。」

どうやってと思う間も無くムカデが襲って来た。何かに覆われた気がする。右手に魔法が籠もる。ウインドカッターと唱えて右手を振り下ろす。ムカデが2分された。頭部を剣で突き刺して終わりだ。幾つの魔獣との戦いや巨大な水溜りで道を塞がれた時などに声がかかり魔法が覚醒した。もうすぐ私の出番は終了だな。思っていると

「そんなことではありません。ここまであなた一人に任せてしまったのは申し訳なく思います。あなたが心清い方たと良く判りました。あなたと私の人格を合わせ別の人格、万能魔術師マリエールを覚醒させましょう。」

 少し時間を遡る。転生した女医は意識を取り戻したが表に出る勇気はなかった。冒険者がこのままやってくれるならそれでいいと思った。しかし転生特典として貰った魔法は使えない。何度か魔法を使ったが。特典の魔法を彼女に伝えるのは難しい。神より女医と冒険者を合わせて万能魔術師マリエールという人格なら作れる。とお告げ有った。女医は乗ることにした。

 万能魔術師マリエールという人格が出来た。まだ幼い少女だ。美少女だが強そうには見えない。しかし、神が最高の魔法を与えた最強の少女である。彼女に勝る存在はほとんどないだろう。

 そういう存在になり、活動を始めた。まず物資補充である。瘴気に曝された岩や植物は貴重な資源となり薬草となる。そういった作業をしながらゆっくり進んだ。目的地まで遠くない。

 万能魔術師マリエールの誕生だ。彼女は女医と冒険者の人格を内包しながら、神より多くの魔法を授かり世界最強の魔術師の一人になった。

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