表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/6

私は右手になりました②

 どうもこの異界の錬生術師とかいう怪しい女の誘いを受けて、康陽が自分から引き受けたらしい。


「霧の大陸、巨人巨獣の棲むミスティジア大陸の調査隊、それがあなたたちの任務よ」


「任務? 何で私達がそんな事を」


 そもそも何でまた異世界にいるのか分からないのに。


「魔力に頼らない、巨大化に関する情報を集めたいのよ。自然と巨体を維持出来る環境なのか、生き物の進化体系なのか興味あるわよね」


「そんなの興味あるわけ‥‥」


「めっちゃ楽しみだよなあ」


 私の言葉は、康陽に遮られた。知らない世界に呼ばれて、さらに知らない地域へ行けるわけない。


「私達はただ学生よ。もとの世界に帰して」


「無理よ。その吊りバカ男子君はわたしが呼んだから、帰してあげられるわ」


 要約すると呼ばれたのは康陽だけ。でも康陽が我儘を言って、私をまたも巻き込んだ。紗弥香は無理矢理ついて来たらしい。


「二人分の活動魔力、きっちり働いて返してもらわないとね」


「勝手に呼んでおいて、何よソレ」


「私が二人分働くから千代だけ帰してもらいなよ」


「ダメだよ。千代がいないと合体(ドッキング)出来ないだろ」


 頭痛が痛いって言葉、こういう時に使うのかな。会話が噛み合わない。それに紗弥香がヤバい。


「それじゃ、手始めに巨大生物と手合わせしてみましょう」


「はぁ??」


 私達を巨大な影が覆った。学校の体育館より大きいよね、アレ。


「不細工なドラゴンだな」


 康陽が珍しく冷めた口調で呟く。日本の神話に出てくるような八俣の大蛇って感じだ。空飛んでるけど。


「身体は預かるから、さっさと自分の聖霊人形(ニューマ・ノイド)に乗り込んでね」


「何‥‥」


 私達は意識を失った。気がつくと康陽と紗弥香が目の前に立っていた。ただ違和感がある。


「その身体なら魂装合体兵器(ドラファント)に乗り込んで動けるわ」


「おぉ、本物の身体より軽いぞ」


 康陽が跳ねてみせた。ジャンプ力だけで私や紗弥香の背より高く跳んでる。


「ヤッ君凄い!」


 えっ? 何か紗弥香が茂木田君呼びを急に止めた? 異世界デビューなの、そうツッコミたかったけど、私の身体は鎮座する銀色の像へと吸い込まれるように吸収された。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ