バカと言う名の危険人 プロファイル10 ー私は沖縄系だから大丈夫ー
今回の話は『ステレオタイプ』というには、あまりにも考えがお粗末はユカリについてよ!
ユカリは40代の主婦。
広告代理店A社で契約社員として働いている。
ある日、クライアントとの打ち合わせ中、
“広告に起用するモデルについて”
話し合いをしていたの。
ユカリは真っ先に、
“スタイルのいい西洋人男性”のサンプル写真を指差し
『こういった写真がいいわ!』
『白人の方が安心感があるし、信頼できる商品だと思うわ!』
と言った。
リヤンが、
『こちらの女性の方が商品イメージに合うと思います』
『今回の商品は肌に直接つけるものです』
『日本のマーケットを考えると、こちらの女性の方が購入者も
ご自身が使用した時のイメージしやすく買い求めやすいと思います』
とアジア系女性の写真を提案した。
イトウ課長が
『そうねぇ、リヤンの提案の方がよさそうね』
と言った。
ユカリは、
『その女は親が在日じゃないか!』
『そんな人を起用したら、商品イメージが低下してしまう!』
と反論した。
会議に参加していたリズが、
『関係ないことですよ!』
『確かに、そういったアンチと言われる人が一部にはいます』
『ただ、人気の高い方ですし、指示している人のほうが圧倒的多数です』
と、人気タレントのアンケート調査結果をスクリーンに映し出した。
ユカリは
『そんなのは整形だ!』
『整形までして人気になろうとう根性が出ている結果だ!』
と言い出した。
イトウ課長は
『だったら、どういったイメージの人が合うと思うの?』
とユカリに尋ねた。
ユカリは
『西洋人の方が安心感があるのよ!』
『でも肌の色が合うというなら、日本人じゃないと!』
『そんなアジア人を起用するなんてありえないわ!』
『だから、日本人モデルのほうがいいわ!』
と言った。
リヤンは
『具体的にどのモデルでしょうか』
と尋ねた。
ユカリは
『このモデルなんてどう?』と
“カナダ人とのハーフモデル”
の写真を指差した。
リズは
『この方は、スキャンダルがあり人気が下降傾向にあります』
『これから再び上向くか、難しいところです』
とデータを表示した。
ユカリは
『だから私たち起用して後押しをするんじゃない!』
と強く出た。
リヤンは
『ハーフと言うことであれば、こちらのモデルの方が商品イメージに合います』
と言い
“アメリカ人とのハーフモデル”を推薦した。
リズは
『最近名前が知られるようになったモデルですね』
『まだ知名度はさほど高くはありません』
『しかし、これから人気が上昇する可能性がある方です』
とデータを表示した。
ユカリは
『アメリカ人って言っても米軍基地の人でしょ!』
『どんな人種かはっきり分からないし!』
『基地の人との子なんて、どうやって出来たか分からないじゃない!』
と反対した。
会議に参加していたクライアントは
『在日は駄目!』
『アジア人は駄目!』
『意見が通らなければ整形と論拠をずらす!』
『日本人じゃないとって言いながら全く異なるタイプを指名する!』
『米軍の子は出生が分からない!』
“君は一体何を言いたいんだ!”
と怒り始めてしまった。
ユカリは、
『それは普通のことだ!』
『アジア人なんて起用したら商品イメージが下がってしまう!』
『在日だって犯罪者がほとんどだ!』
『日本に来て悪いことばかりしている人たちだ!』
『米軍だってそうじゃないか!』
『変なことして生まれてきた子供ばかりだ!』
『ハーフハーフってチヤホヤされているけど、モデルなんて整形しているに決まっている!』
と持論を展開した。
クライアントは、
『アジア人の何がいけないの?』
と聞いた。
ユカリは、
『肌の色だ!』
と言った。
クライアントは、
『在日、在日って先さきから言うけど、多くの人が活躍しているよ?』
『活躍している人の多くは、祖先をたどったらたまたま外国から来ていた人だよ』
と聞いた。
ユカリは、
『日本に連れてこられた人だ!』
と言った。
クライアントは、
『西洋人だったらいいの?』
と聞いた。
ユカリは、
『ヨーロッパとか、そっち系の人だ!』
『とにかく怪しくない人だ!』
と言った。
クライアントは、
『ヨーロッパ人ならよくてアジア人はいけないの?』
と聞いた。
ユカリは、
『そうだ!』
と答えた。
クライアントは、
『君もアジア人じゃないの?』
『元をたどれば祖先は外国から来ている人ってこともあるよ』
『何がいけないの?』
と聞いた。
ユカリは、
『違う!』
と答えた。
クライアントは、
『何が違うの?』
と聞いた。
ユカリは、
『私は沖縄系だから大丈夫!』
と言った。