孤独者
楽な方へと姿が消えて
透明になる
ゆったりとした時間には
苦となるものが無く
落ちることも
上がることも無い
無と違うのは
その中で揺らいでいるからだ
他人から干渉されることもなく
己の心のみが揺れる
落ち着いている
儚さも無く、未練も無く
手のひらを広げれば本になり
足を鳴らせば椅子になる
無限でありながら
酷く小さな空間である
その中に居る意思を
孤独と呼ぶのだろう
他者が変えたものも
その孤独の中では
変わることが無い
孤独とは不変である
自らの好みが変化した時のみ
その世界を変えられる
人は変化を嫌う
楽なことが変わると嫌悪する
疑問になり不満へ拡大していき
変化への変化を望む
変わることはない
望まれもせず、望みもせず
目を瞑れば安全が確保でき
口を閉じれば安定になる
小さな空間でありながら
無限になれる世界ができる
その中に居る意思を
孤独と呼ぶのだろう