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#1 RUN

・・・


・・・


カタカタ


・・・


・・・


ヒュン


──────────


「オーバーライド…!」


0110001101100010…


微かに光を放つ粒子が身体を包み込む。

「できてる…よな?」

静寂のなか、小さな音がこだまする。カーテンの隙間から昇り始めた日の光が差し込み、(いち)の顔を照らした。


「…ゲットニュース!」

言葉を発した瞬間、手元に光が集まり文字を映し出した。


─東京、異常気象続く。2100年6月6日の最高気温は32℃で7月下旬並みの気温になる見込み。(クークルニュース)


「よし、データの取得先を変えられたな」

壱は安堵の表情を浮かべるが、すぐに頰の筋肉をまた強張らせた。

「壱ー!朝ごはんできたわよー!」

階下からいつもの声が聞こえてくる。


「今いくよ」

そう返事をして、静かに動き出す。今日もまた、変わらない一日が始まる。

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