第92話
蛍からまた支援物資が送られてきた、段ボールの中にはレトルトカレーやらが一杯入っていた。ありがたいのだが、蛍のお小遣いの範疇を越えていると思い、無理はしないで欲しいと電話を掛けた。
「……蛍、また色々送ってくれてありがとうな、でも無理はしないでくれ」
箱の中にはどう見ても高級なレトルトカレーやらお高いものも入っていた。
『……先輩、実はそれは父の仕事関係の貰い物でして……うちにあっても残ってしまうので出来れば先輩に食べていただいた方がこちらも助かるのです』
「……でも、これ高級そうなカレーだぞ?凄く美味そうだぞ?本当に良いのか?」
『……先輩、そのレトルトカレーと私の作るカレーどちらが美味しいと思いますか?』
「はい、勿論、蛍さんの作るカレーが最高です!」
これは本当だ、恋人の作ってくれるカレーに勝るものはない。
『……本当なら私が作って差し上げたいのですが……そのレトルトカレーで我慢してください』
「……それじゃありがたく頂くが、お礼をご両親に直接言いたいのだが……」
『そ、それは……私の方から言っておきます!大丈夫ですから……』
蛍は慌てて用があるので……と電話を切った。もう少しお話したかったが仕方ない。早速、頂いたカレーを温めようと立ち上がった。
☆☆☆☆☆
「……もう少し先輩とお話したかった……」
でも長くお話したら馬脚を現すことになるかと早めに電話を終わらせた。
実は先輩に送った支援物資はお父さんの会社からの貰い物なんかではない……先輩の叔母様、瞳さんが私の名前で送って欲しいと頭を下げて渡してきた物だ。
先日、瞳さんから連絡があり、以前、お会いした喫茶店で待ち合わせしたら……
「……お願い、蛍ちゃんの名前であの子に仕送りして欲しいの」
そう頼んできた、でも私の名前でもお金を直接送ったら先輩は受け取らないだろう……だから理由を考えて日持ちする食べ物を二人で選んで段ボールに入れて送った。今、思えばもうちょっと瞳さんと商品の値段とか考えて送れば良かったかも……
「……先輩、あのカレーには瞳さんの……家族の愛情も入ってますから」
しっかり味わって食べてくださいと……思った。




