第59話
蛍の中でようやく身体が仕上がったらしい。勿論、以前とどこが違うの?なんて聞いてはならない、俺はデリカシーを学んだのだ……そう、デリカシーを身に付けていない者は……戦場を生き残れない。
そうして撮影会の日時が決定した。なんだろう凄く楽しくなってきた。
「……お待たせしました」
水着を着たはずの蛍はまたしても白いパーカーでその姿を隠している。
「くっ、焦らし作戦なんて……蛍め……やりおるわ」
「……先輩、少しテンションが変です」
蛍が恥ずかしそうにパーカーを脱ぐと以前に見たエメラルドグリーンのワンピースの水着を身に纏った蛍の身体が露になる。
「……はい、どうぞ」
と蛍が言うので
パシャっと一枚撮影する。
そうしたら蛍はまたパーカーを着ようとするので慌てて蛍を止める。
「な、なんでまたパーカーを着ようとするのさ!?」
「え?だって先輩、撮影したじゃないですか……」
何を言っているのだ……何を言っているのだ!?
「……蛍、蛍は男心がわかっていない……今、撮影したのは正面からだけだろう?俺は蛍の可愛いお尻も好きなんだ……そっちも撮影させて欲しい!」
蛍がジト目で俺を見つめる。そんな目をした蛍も可愛いので写真をパシャっと撮影する。
「な、なんで撮影してるんですか?」
「……可愛いから」
蛍にお願いにお願いを重ね……顔が後ろを振り向いたお尻の写真、腕をバレーボールのレシーブみたいに寄せて胸の谷間を作った写真、真横から蛍の横顔と胸の膨らみが確認できる写真……もう蛍の写真集が作れるくらい撮影し、蛍が疲れたからもう終わりにしましょうと言うので「ごめんね、ありがとう」と言って撮影は終った。
「……ふふ、蛍、可愛いよ……可愛い」
俺が撮影した蛍の画像をニヤニヤ見ていたら
「……先輩、こっちには本物がいるんですけどっ」
撮影した画像ばかり見ている俺に対して不機嫌そうに蛍が言う。自分の写真に嫉妬する蛍が可愛いので……
抱き締めて部屋の灯りを消した。




