第29話
最近の蛍は昼休みなども俺の迎えを待たず「……いつもの所で良いですか?」と待ち合わせて食事をしたり、放課後は一緒に勉強してから帰宅したり、休みの日なども家にやってきてご飯を作り、ゲームをして遊んだ。
「……先輩、今日のゲームも見たこと無いんですが……」
「え?有名だぞ?藤○不二雄先生の漫画原作だ」
『オバケの○太郎 ワ○ワンパニック』
「お菓子なんかを食べながら進むんだ」
「……難しいです」
「『忍者ハッ○リくん』もあるぞ?クリアすると父親からちくわと鉄アレイを投げつけられる虐待ゲームだ」
「……私一人でやるのも申し訳ないので、二人でできるゲームが良いかなと……」
「んー、じゃ『アイスク○イマー』とかやるか?」
「……先輩、待ってください!そんなに早く登れません!」
そんなこんなで死に戻る前と違う生活を蛍と送っていたが……以前にもあった分岐点の日がやって来た。
今日も二人で帰ろうとしたら生徒会長の御劔に呼び止められた。
「二人とも少し話をする時間を貰えるかな?」
蛍はなんだろうという顔をして、俺はこの後どんな展開になるか思い浮かべながら彼の後についていった。
御劔についていき入った教室には御劔の他に十人ほど集まっていた。その人数の目が一斉にこちらに向けられ、蛍は俺の背後に隠れるように下がった。
「さて、ここに来てもらったのは……君が後輩の鳴海さんを脅し連れ回しているという話を聞いて……本当か確認したいと来てもらったんだ」
「……脅してなんかいないつもりだが?」
「だが……君に脅すつもりがなくとも君が言えば逆らえない……ってこともあるだろう?」
御劔がそう言えば御劔の後ろにいた名前も知らない奴等も「そうだそうだ」と応援し。そして御劔は蛍に向かって
「鳴海さん、ここにいる人達は君の味方だ。どうか本当のことを話して欲しい」
そう言う御劔に対して蛍は
「……先輩は私を脅してなんかいません」
小さな声だがハッキリと蛍は言ったが御劔は更に蛍に話しかける。
「……だが、鳴海さんは彼がどんな問題を起こしたか知らないからそう言ってられるんじゃないかい?」
「……先輩が以前、暴力を振るったことは知ってます」
「……それだけかい?やはり本当の彼の話を知らないんだね……」
そうして御劔は俺のことを語りだした。




