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『腫れ物扱いの先輩が、私には優しい』  作者: もんじゃ
『腫れ物扱いの先輩が、私には優しい』
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第19話


 中間考査が終わり学生達は精神的にも解放された。蛍に「デキはどうだった?」と聞いたら「先輩のおかげでいつもよりできたと思います」と蛍も手応えがあったようだ。

 蛍が「今週末、また何処かにお出かけしますか?」と聞いてきた。出かけるのは構わないんだが……あまりお金の掛かるところに連れていくのも悪いな……と思ってどうするかなと考える。この前も映画のチケットくらい奢ろうとしたのに頑なに遠慮してたからなぁ……


 「……蛍、その日は図書館に本を借りに行こうかと思ってたんだが……一緒に行くか?」


 「……図書館ですか?」


 お金のかからない時間を潰せる所と考えたら図書館が思い浮かびそれでも良ければ一緒に行こうと誘う。


 「……はい、ご一緒させていただきます」


 そういうことになって図書館に二人で向かう。


 「……先輩は良く図書館に行くんですか?」


 「……そうだなぁ、これといった趣味もないし……本を読むのは好きだからな」


 「……先輩は普段どんな本を借りるんですか?」


 「借りるのは小説とかかなぁ……でも蛍は漫画の方が好きなら『つげ義○全集』とか『カ○イ伝』とかあったぞ」


 「……読んだことないです」


 「……蛍、世の中には『ガ○』系とそれ以外の漫画があるんだ」


 蛍は機会があれば読んでみますと言っていたが……手にとってパラパラと捲ってみて、そっと棚に戻しそうな気がした。面白いんだけどなぁ……


 しばらく二人で図書館の中をうろうろして気になった本を持って席に座り静かに読書した。


 読書に飽きたら二人で外に出て缶ジュースを買う、蛍は炭酸が駄目らしいのでミルクティーを飲んでいた。そのように過ごして……


 結局、俺は池波○太郎の『剣○商売』を借りた、もう何度も読んでいるのだが好きなので繰り返し何度も読んでいる。蛍はライトノベルを借りていたようだ、ナントカは笑わないって表紙には書いてあった。


 「……先輩、『剣○商売』って時代劇はテレビでもやってましたよね?面白いんですか?」


 「そうだなぁ小説としても面白いんだが、それ以外にも……主人公の息子の嫁が、田沼意次の娘で読者は後に田沼意次が失脚することを歴史的事実として知っているんだけど、主人公の息子と嫁、そして孫がどうなったかは描かれていなくて……想像する楽しみがあるかな」


 そんな風に話しながら二人歩き帰る、そんな一日も悪くないなと思った。


 

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